県内原発の運転認める 住民らの仮処分申し立て、却下 福井地裁「具体的な危険性は認められない」
29日午後1時ごろ、福井地裁前
運転開始から40年超えのプラントを含む美浜原発と高浜原発について、県内の住民が運転差し止めを求めた2件の仮処分申し立てで、福井地裁は29日、住民側の主張をいずれも退け、原発の運転を認めました。(3月29日)
県内の住民が運転開始から40年超えのプラントを含む関西電力の美浜原発3号機と高浜原発1号機から4号機の運転差し止めを求めていたもので、住民側は設備の老朽化で事故のリスクが高まっていることや、近くに震源になりうる断層があり、重大事故につながる恐れがあること、それに巨大地震などで重大事故が起きた場合の避難計画が不十分だと主張していました。
能登半島地震の被害を受けてどのような判断が下されるか注目されていましたが、福井地裁の加藤靖裁判長は「具体的な危険性は認められない」などとして、住民側の申し立てをいずれも却下し、原発の運転を認めました。関西電力は「多様な安全確保対策によって、安全性が十分確認されている」と反論し、申し立てを退けるよう求めていました。