ソースカツ丼の名店“復活” ふくしん、福井市のエルパで再出発 県内最大級のフードコート
福井市のショッピングセンター「Lpa(エルパ)」に今週末、県内最大級のフードコートがオープンします。目玉は、去年惜しまれながら閉店したソースカツ丼の名店。新天地で再びのれんを出します。
リニューアルしたエルパのフードコート。広さはこれまでの3倍にあたる1000平方メートルで、県内のショッピングセンター初出店となる大手うどんチェーンの「丸亀製麺」や、おろしそば販売のギネス記録を持つ越前市の製麺所「宗近」のそば店など、4つの店舗が出店します。
■リポート 吉岡弘起記者
「家族そろってさまざまな料理が楽しめるフードコート。復活したこちらのソースカツ丼店には、待ちわびた人たちの列ができています」
惜しまれながら、去年閉店した福井市の「ふくしん」。16日のプレオープンでも人気は健在です。
■利用客
「(閉店時は)行列がすごくて、行きたくても行けなかった。復活してくれてうれしい。ふくしんだけじゃなくて、そば・うどんがあるので来やすい」
■子連れ客
「県外から福井に来たけど、初めてソースカツ丼食べたのがこちらの店で。子どもとも来やすい感じなので、また来たい」
夫の真一さんと50年前に店を立ち上げた福井市の橋爪節子さん(73)。創業当時から変わらぬ味は、多くの人に愛されてきました。17年前に真一さんが亡くなった後も、長女の美幸さんとともにのれんを守ってきました。
■橋爪節子さん
「1年、のれんを上げていなかったので、感無量。主人も喜んでくれているのかなと」
店は1代限りと決めた橋爪さんは去年7月、のれんをたたみ、惜しまれながらも50年の歴史に幕を下ろしました。
それからおよそ1年。橋爪さんは新たな形でのれんを出すことを夫に報告しました。
■橋爪節子さん
「16日がプレオープンで、19日がオープンですよと報告しました。喜んでくれるより、安心してくれている」
エルパからの強い要望で復活することになった「ふくしん」。事業を引き継いだのは福井市のアパレル店で、橋爪さんの長女・美幸さんを雇って飲食業界に進出しました。
■コサカ 森裕一社長
「前ふくしんから引き継いだ味とクオリティーとボリューム。ここだけは同じものができるというポリシーで、オープンしようと思う」
厨房に立つのは社長の長男の奨貴さん。老舗の味をイチから受け継いでいます。
■ふくしん元料理長 吉川雄次さん
「手のひらだけで抑えると、中央だけが潰れてしまって、揚げるときに偏りが出ますので。このように宙を浮かせるような感じでつける。そうすると肉が潰れなく、満遍なくパン粉がつく」
ラード油でコクと香ばしさが増した揚げたてのカツに絡めるのは、ウスターをベースにした甘めのソース。全国のファンをとりこにしてきたソースカツ丼の復活です。
■橋爪美幸さん
「また復活するよと。(父に)見守っていてねと思い」
■美幸さんの娘
「もうこの味が食べられなくて悲しかった。懐かしい。めっちゃおいしい。良かった」
再びのれんを掲げたふくしん。新天地で、これからも福井のソウルフードの魅力を発信します。