子宮頸がんの発症予防に「HPVワクチン」の集団接種 今年度の接種率目標は7割
「7割」。これは県医師会が目標に掲げる、子宮頸がんの発症予防に有効な「HPVワクチン」の接種率です。接種率の低さが全国で課題となる中、13日に県内で初めて集団接種が行なわれました。
「ちょっとチクっとするよ」
「HPVワクチン」の集団接種が行われたのは福井市の看護専門学校で、18歳から23歳の女子生徒22人が接種しました。
県医師会によりますと、医療機関以外でワクチンの集団接種が行われたのは県内では初めてということです。
接種を受けた女性
「学校で受けられると聞き、病院で受けるより楽だと思った。子宮頸がんになることが減るので不安がなくなった。」
「子宮頸がんを90パーセント予防できるということなので、打とうと思った。」
「HPVワクチン」は、定期接種を受けられなかった平成9年度から平成19年度生まれの女性、いわゆる「キャッチアップ世代」の接種率の低さが課題となっています。
県医師会では今年度末までに接種率を7割までアップさせることを目標に掲げています。
「どうなのかね、副反応とかは?」
「副反応というのは大体1万人に5人くらいあったとしても、かなり少ない。9割の人は副反応も自然に軽快するといわれる。」
接種への不安を和らげるため、患者に正しい説明ができるよう、産婦人科医を対象にした講習会も開かれています。
福井大学医学部産科婦人科 吉田 好雄教授
「かかりつけ医の先生方のワクチンと、懸案に対する理解。そして適切な患者さんへの話し方が非常に重要。医者向けの講習会を開かせてもらった。」
講習会では「患者役」と「かかりつけ医役」に分かれ、ワクチンや子宮頸がんへの様々な悩みに「かかりつけ医役」が適切に答えられるかをチェックし、その後グループに分かれて患者に寄り添った説明について話し合いました。
若手の産婦人科医
「年代が上の先生たちが、外来でどういうふうに説明しているかを聞ける機会がなかなかないので、すごく勉強になった。」
「患者さんの不安な気持ちをしっかり受け止めて、できるだけわかりやすい言葉で治療やワクチンについて伝えられる医者になりたい。」
県医師会では今後、企業でも集団接種を行うなどして、HPVワクチンの接種率アップにつなげたいとしています。