【飯塚事件】第2次再審請求の行方③DNA型鑑定 一部を切り取った鑑定写真 証拠能力を事実上否定 福岡
福岡県・朝倉市の八丁峠で1992年2月、登校途中の女の子2人が何者かに誘拐・殺害され、峠道の脇で遺体で見つかるという痛ましい事件。警察は、事件から2年7か月後の1994年9月、久間三千年 元死刑囚を逮捕しました。
1999年9月、福岡地裁は死刑を言い渡します。そして、最高裁は2006年9月、久間氏の上告を棄却し死刑判決が確定。死刑確定から2年後、死刑が執行されました。
■久間 三千年 元死刑囚
「アリバイ以上のものを持っている。100%関係ないということをあんたたちが即信じるわ。やっていないものをやったと思われたことだけは、これは白黒必ずつける。」
久間氏は任意で事情を聴かれている段階から、一貫して犯行を否認。裁判でも無罪を主張しました。
自白も、犯行を裏付ける直接証拠もない中、1審判決は複数の「状況証拠」を積み重ねて有罪を導きます。
▽犯人の血液のDNA型が久間氏の型と一致したとされたこと
▽女児の遺留品が発見された現場で、久間氏の車によく似た「紺色ワゴン車」を見たという目撃証言
▽事件当日に女児の通学路の三差路でも「紺色ワゴン車」が目撃されたこと
▽久間氏の車の中から血痕と尿反応
▽女児の着衣に付いた繊維片が、久間氏の車のシートのものとほぼ一致したとされたこと
▽久間氏に土地勘があり、アリバイがないこと
■1審判決より
「個々の状況証拠も、単独では被告人を犯人と断定することはできないものの、これを総合すれば、被告人が犯人であることについては、合理的な疑いを超えて認定できる。」
そして2008年10月28日、死刑が執行されました。
■富永大介記者
「死刑が執行されて1年目の命日となるきょう、弁護団は裁判のやり直しを求めて福岡地裁に入ります。」
久間氏の妻は、再審請求=裁判のやり直しを求める訴えを福岡地裁に起こしました。弁護団が状況証拠を突き崩すうえで重視したのは、DNA型鑑定と目撃証言です。
■飯塚事件弁護団・德田靖之弁護士
「結局、柱としてのDNA型鑑定があり、車両の目撃証言がある。この2つの柱があるので、繊維が一致したとか、車内で尿痕だとか血痕らしきものがあったっていう証拠が意味を持つんです。」