「子宮けいがん」ワクチン 機会を逃した人に無料の接種 今年度に17歳から27歳になる女性が対象 医師「検診も大切」 福岡
国内で毎年、およそ3000人の女性が亡くなる「子宮けいがん」。ワクチンの接種により発症を予防する効果があるとされています。9日、福岡大学病院で、接種機会を逃した女性を対象に無料のキャッチアップ接種が行われました。
子宮けいがんワクチンの接種を逃した人に機会を確保する「キャッチアップ接種」は、福岡大学の女子学生と教職員を対象に行われました。
■学生
「痛いと聞いていて怖かったが、思っていたより痛くなくて。わざわざ病院に行かなくていいので足を運びやすい。」
「打たずに子宮けいがんになったら将来にも関わるし、怖いけど打った方がいいかなと思った。」
毎年、国内ではおよそ1万人の女性が発症しおよそ3000人が亡くなっている「子宮けいがん」。
子宮けいがんは、ヒトパピローマウイルスの感染が原因と考えられていて、最新のワクチンでは原因となるウイルスの8割から9割を防ぐとされています。
■福岡大学病院・永光信一郎 医師
「9価のHPVワクチンを打つことによって、子宮けいがんの88パーセントが予防できると言われています。ただワクチンが全てではないので、子宮けいがんの検診を受けることも大切。」
子宮けいがん予防のためのワクチンは現在、小学6年生から高校1年生にあたる女子には無料の定期接種が行われています。
ただ、接種後に全身の痛みなどを訴える例があり、政府はおよそ9年間、接種の積極的な呼びかけを控えていました。その後、接種との因果関係があるとは言えないとして、2022年4月に再開しました。
そのため、その期間に接種しなかった、今年度17歳から27歳になる女性を対象に「キャッチアップ接種」を行っています。(1997年度~2007年度生まれが対象)
ワクチンは半年かけて3回の接種が必要で、およそ10万円かかりますが、「キャッチアップ接種」では無料で打つことができます。
■永光医師
「半年間かかりますので、遅くとも9月までに始めることが必要。」
2022年度に「キャッチアップ接種」で初回の接種を受けた人は、推計で5.1%でした。
このワクチン接種の重要性を訴える女性がいます。福岡市に住む会社員、山川直子さん(45)です。
■山川直子さん(45)
「最初は全く(症状が)なくて、がん検診を20代のころ受けて最初は異常なしでしたが、それから高度異形成(がんの前の段階)とか、治療や経過観察もしながら最終的にはがんになったので。やっぱりショックはショックでしたね。」
山川さんは33歳でステージ0の子宮けいがんが見つかりました。しかし早い段階だったことから手術で腫瘍を摘出することができました。
■山川さん
「私自身がワクチンを受けていたら、がんにならなかったのではないかという気持ちがありますので、予防できるのであれば、するに越したことはないと思います。」
その上で、山川さんはワクチン接種について正確な情報をもとに、自分で判断することが大切と話しています。