一人前の航海士を目指し新人海上保安官が奮闘「日本の海を守る」船内で2か月生活→審査に挑む 特集【キャッチ】
■新人航海士・出羽太陽さん(22)
「オーケー!」
福岡海上保安部の巡視船「むろみ」で、声を張って指示を出すのは出羽太陽さん(22)。1か月ほど前に配属されたばかりの新人の航海士です。
■出羽さん
「玄界島の西側に向けて通っていきたいと思います。」
他の船の位置や障害物がないかなどを確認。針路を決定し、船員に指示を出すのが航海士の仕事です。
■出羽さん
「出港船が香椎方面から0830、離岸して出港する船舶が1隻です。」
■船長
「了解。」
出羽さんの後ろには船長。出羽さんが針路を指示するには、今は船長の補助が必要です。
航海士としての習熟度を測る「個人審査」が翌週に控えていて、合格すると航海士として1人でも指示が出せるようになります。
■出羽さん
「出せ!」
海上に船を止めておくために、いかりを下ろしていきます。新人ながらあらゆる場面で、経験豊富な年上の船員に指示を出さなければいけません。
■出羽さん
「カバーをお願いします。」
出羽さんは海上保安大学校を卒業していて、将来の幹部候補のいわゆる“キャリア組”です。新人のうちから指示を出す立場に置かれるのは、“キャリア組”の宿命です。
ベテランの航海士に呼び止められ、いかりを降ろす際の指示について指摘を受けます。
■ベテラン航海士
「張力がそのまま利いた状態でかかってしまうと危ない。」
■出羽さん
「ありがとうございます。」
■出羽さん
「右旋回!」
ボートを海に降ろす指示でも、先輩からアドバイスがありました。
■ベテラン航海士
「自分の目線に合わせて。きょうは横のうねりがあるから。」
■出羽さん
「作業員がベテランの方々なので、どんどん手際よくやってくれる。自分も完璧ではないので、これからもっともっと練習していきたい。」