福岡発の日本食を韓国に ソウルで3500人の料理人を育てた中村さんが「食の親善大使」に
福岡市にある中村調理製菓専門学校の校長が3日、日本政府から韓国での「日本食普及の親善大使」に任命されました。韓国ではいま日本食がブームとなっています。その流行を支えているのは、福岡発の技術です。
韓国・ソウルの若者に人気のエリアでは、いたるところに日本語で書かれた看板が見られます。
■河中春樹 記者
「あちらには、おでんと書かれています。こちら側には居酒屋、さらに『ひつじや』と書かれています。ジンギスカンのお店です。」
いま、韓国で日本食がブームとなっています。
■20代
「特定の食べ物一つが流行しているというよりは、日本の感性・雰囲気そのものが流行している感じです。」
■20代
「焼きそばも食べましたし、お好み焼きも。」
新型コロナによる渡航の制限が解除されて以降、非常に多くの韓国人観光客が日本を訪れていて、韓国での日本食ブームに拍車がかかっています。
こうした中、3日、ソウルにある日本大使館では、福岡市中央区にある中村調理製菓専門学校の校長を務める中村哲さん(70)が日本食普及の親善大使に。韓国でさらに広く日本の食文化を知ってもらおうと、日本政府が任命しました。
■日本食普及の親善大使・中村調理製菓専門学校・中村哲 校長(70)
「韓国料理やフランス料理は、絵でいうと油絵を塗り重ねていく感じ。日本料理は引き算。素材のシンプルな持ち味を引き出す。」
中村調理製菓専門学校は韓国でも本格的な日本食の料理人を育てようと、2009年、ソウルに分校のナカムラアカデミーを開校しました。これまでおよそ3500人の卒業生を送り出しています。
■河中記者
「こちらのお店、営業中と書かれています。おしゃれなカウンターが並んでいます。アンニョンハセヨ。」
ソウルで焼き鳥店を2店舗営むキム・ビョンムクさん(38)。6年前にナカムラアカデミーを卒業しました。
■ナカムラアカデミー卒業生・キム ビョンムクさん(38)
「ナカムラアカデミーで学んだレシピに基づいて、独自のタレを作りました。ナカムラアカデミーで主に使っていた『ヤマサのこいくち醤油』を使っています。」
店は、ミシュランガイドに「ビブグルマン」として掲載され、人気店となりました。
■ 客
「柔らかいです。なので、ずっと食べてしまう。おいしいです。」
■客
「脂っこくなくすっきりとした味わいだと思います。」
韓国の若者たちにも親しまれる、日本食の料理人を育てた中村さん。
■中村校長
「(日本料理と韓国料理の)似ている部分と違う部分をきちんと伝えることができれば、より相互理解が深まりもっと韓国のかたにも日本の食文化を楽しんでもらえると思う。」
食を通じて日本と韓国の相互理解に役立ちたいという思いを新たにしていました。