旦過市場「地元密着型で」「生かしながらリフォームを」 再整備事業見直しで店主らの声は
北九州市の武内市長は旦過地区の再整備事業について、2度の火災を踏まえ、見直しを進める考えを明らかにしました。食に特化した街づくりなど検討し、新たな価値を加えることを目指すとしています。
27日午前、武内市長の会見が北九州市役所で開かれました。
■北九州市・武内市長
「旦過市場がさらに魅力ある市場となるよう、再整備計画のアップグレード計画を検討することにします。人の流れが増えて、より魅力的で、よりしっかりと稼げるような市場にしていくというのが必要だろう。」
発表されたのは旦過地区の再整備事業の『アップグレード計画』です。
北九州市は浸水などの災害対策や老朽化に対応するため、おととし、約34億円をかけて、旦過市場一帯を再整備する事業計画を決定。
市場を4つのエリアに分け、店舗の立ち退きが終わり次第、順々に解体していくもので、跡地には、市が今年度中に4階建ての商業施設を建設する計画でした。
しかし去年、旦過市場一帯で2度の火災が発生しました。
がれきの撤去作業などが続く中で立ち退きの補償契約は遅れ、計画通りの着工ができていませんでした。また、建設資材の高騰も今後の不安材料となっています。
武内市長は27日の会見で現在の計画は進めつつも、『食』に特化した街づくりや若者を呼び込む取り組みなど、さらなる価値を加えることを目指して事業の見直しを行う考えを明らかにしました。
■武内市長
「旦過に対する全国からのものすごい愛着と愛情と期待と復興に対する思いが凝縮してきているので。小倉の宝である旦過をしっかりと次の世代に繋いでいく。」
武内市長は27日午後、さっそく旦過市場を訪れました。
■武内市長
「最終形態について、もう少しこうだったらとかは?」
■青果店の店主
「観光市場じゃなく、地元密着型の市場を継続できるような立て替えをしてほしい。」
その一方で、旦過らしさが失われるのではないかとの懸念もあります。
■酒店の店主
「旦過市場は市民のにおいがする。これを壊したら、北九州は観光資源として大打撃とみんな言う。旦過市場を市長が壊したんじゃなくて、生かしながらリフォームして『NEW旦過』にしたとなったら、市長は後世に名を残しますよ。」
大きな火災を経験しながらも今なお昭和の風情を残す旦過市場について、北九州市は今後も市民や専門家らと意見交換し、来年春ごろに検討結果をとりまとめるということです。