東日本大震災14年 「震災の記憶を風化させない」 福岡でも思い新たに
東日本大震災の発生から3月11日で14年になります。全国各地で鎮魂の祈りが捧げられました。「震災の記憶を風化させない」と、福岡でも次の世代に受け継ぐための取り組みが行われています。
3月11日午後2時46分。東日本大震災の発生時刻に合わせて、福岡でも各地で黙とうが捧げられました。
福岡市中央区天神にある岩手・青森・秋田の東北3県のアンテナショップ「みちのく夢プラザ」では11日、東北出身のスタッフらが犠牲者を悼みました。
■岩手県福岡事務所・土井尻英明 所長
「(震災発生後)岩手の沿岸の惨状を目の当たりにして、非常につらい思いをしておりました。もう大体(ハード面の)復興は果たしたんですけれど、まだ被災者も行方不明の方々もたくさんいるという中で、心のケアというのは非常に大事になっています。」
巨大な津波が東北沿岸を襲った14年前の東日本大震災では、あわせて1万5900人が死亡し、現在も2520人の行方が分かっていません。
一方で避難生活などで震災に関連して亡くなった人は、3808人に上っています。
福岡市中央区の天神中央公園では、特別な思いで、この日を迎えた人たちがいました。
■森山英明さん
「ちょうど14年前、俺たちですることはないかと仲間で話をしたら、復興支援になることはないかと。」
福岡県福津市の森山英明さん(85)です。
被災地の岩手県大船渡市で作られた鎌を100本買い取り、2011年の5月から毎月11日、その鎌で天神中央公園の草刈りをしています。
■森山さん
「(毎月)11日が来たら、しゃんとしてやっています。」
北九州市は、同じ製鉄の町として、岩手県釜石市に、震災後10年間にわたって、延べ454人の職員を派遣してきました。
■藤木小学校の教員
「はい、配ります。」
北九州市若松区の藤木小学校では11日、学校に備蓄されている非常食を児童たちに配布しました。
北九州市では、防災への意識を高めようと、5年前から市内の小学校と釜石市を結ぶ交流が続いています。
■藤木小学校 6年生・岩佐和明さん
「できなかったことを聞くことができて、それをしていきたいと思いました。」
■藤木小学校 6年生・野田怜音斗さん
「地域の方にも知り合いを増やして、避難する時にしやすいようにしていきたいです。」
■藤木小学校・外山典子 校長
「きょうだけでなく、自分たちの命を考える教育を1年間かけて行っています。今生きていることがどういうことなのか、真剣に考えていってもらえたら。」