「監視が十分であったとは言いがたい」水難救助訓練中の死亡事故 調査検討委が福岡市消防局に最終報告書を提出
福岡市消防学校に入校中の男性職員が溺死した事故で、調査検討委員会は「監視が十分であったとは言いがたい」とする最終報告書を提出しました。
この事故は2024年7月、福岡市西区の市民プールで、消防学校に入校中だった当時26歳の男性職員が水難救助の訓練中に溺れ死亡したものです。
弁護士や医師などで構成される調査検討委員会は12日、事故の検証と再発防止策についてとりまとめた報告書を福岡市消防局に提出しました。
報告書によると、訓練では52人の学校生全員が一斉に立ち泳ぎを行っていて、監視体制が十分であったとは言いがたいと指摘しています。
また、立ち泳ぎは実施時間が明確に示されないまま行われ、学校生が中断すれば全体の訓練のやり直しにつながっていたということです。
再発防止策としては、組織全体で安全優先の共通認識を徹底することなどを求めました。
今回の報告書を受けて、福岡市消防局の高田浩輝消防局長は「かけがえのない命が失われてしまう事故を発生させたことを深くおわびします。二度とこのような事故が起こらないよう、安全管理の徹底に取り組みます」とコメントしています。