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遺族が“戦隊シリーズ”ヒロイン姿に 交通安全の大切さ訴え続ける女性の思い

2023年11月1日 17:54
遺族が“戦隊シリーズ”ヒロイン姿に 交通安全の大切さ訴え続ける女性の思い
遺族が“戦隊ヒロイン”姿で交通安全訴える

11年前、京都府亀岡市で起きた車の暴走事故で、いとこを亡くした女性が福岡県大野城市にいます。“戦隊シリーズ”のヒロイン姿で、交通安全の大切さを訴え続ける思いに迫ります。

【通学路戦士パトーラ初出動!】

10月31日、大野城市で開かれたハロウィーンのイベントで、“戦隊ヒロイン”の姿で交通整理をする女性がいました。

■村岡麗菜さん(29)
「私自身、事故を一つでも減らせたらなんでもする。」

変身していたのは、大野城市に住む村岡麗菜さん(29)です。地域の通学路の安全を守るNPO法人『route』を立ち上げ、約1年前から交通指導を行っています。

ヒロインの名前は、『通学路戦士パトーラ』です。衣装を着てパトロールするのは、この日が初めてです。

■村岡さん
「交通安全なので、(衣装に)信号機を付けていただいて。楽しく子どもたちが赤信号は渡っちゃだめとか、そういうふうに教えていけたら。」

【妊娠7か月だったいとこが犠牲に】

ヒロインの衣装には、交通事故の犠牲となったいとこへの思いが込められています。

■村岡さん
「おなかのハート、事故で亡くなったいとこのおなかの中にいた赤ちゃんが妊娠7ヶ月だった。」

2012年4月、京都府亀岡市で、無免許の当時18歳の少年が運転する車が、集団登校していた小学生らの列に突っ込みました。

この事故で小学生2人が犠牲となったほか、娘の登校に付き添っていた村岡さんのいとこ、松村幸姫さんがおなかの中にいた赤ちゃんとともに帰らぬ人となりました。

■村岡さん
「本当は赤ちゃん入れて(死者)4人なんですけど、死者3人としかカウントされなかった。どうにかおなかの子の命も無駄にならないようにと願いを込めて作っていただきました。」

9歳離れたいとこの松村さんは、村岡さんにとって憧れのお姉ちゃんでした。お互いの家を行き来し、恋愛話に花を咲かせ、化粧も教えてもらいました。

■村岡さん
「京都の事故で被害に遭った子どもたちは、今も塞ぎ込んでしまって、傷を負っている子たちもたくさんいるので。そういった子どもたちが安心して外を歩けるような町づくりをしていけたら。」

【遺族として、2児の母親として】

福岡県内ではことしに入り、交通事故による死者数が急増し、10月31日までに小学生の子ども1人を含む80人が犠牲となっています。

■村岡さん
「ママきょう頑張ってくるね。」

遺族として、そして2児の母親として、村岡さんは『通学路戦士パトーラ』に変身しました。

■村岡さん
「交通安全意識は1回聞いて、ちゃんとしなきゃいけないと思っても、だんだん『きょうも大丈夫』『あしたも大丈夫』となったら安心して意識は薄れてしまうので、継続的に交通安全と事故の危険意識を高めていけたらと思っています。」

交通事故で犠牲になる人を一人でも減らすために、交通安全の大切さを訴え続けます。