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「子どもの肥満は大人の肥満でもあります」子どもの肥満傾向全国平均上回る 福島

2025年3月4日 18:36
「子どもの肥満は大人の肥満でもあります」子どもの肥満傾向全国平均上回る 福島

生活習慣の影響もあり県内では子どもの肥満傾向が全国平均を上回る状況が続いています。子どもの健康な身体づくりを後押ししようと学校も対策に力を入れています。

取材したのは西郷村にある小学校。校庭には元気いっぱい遊ぶ子どもたちの姿が!でも、「お昼の休み時間」にしてはまだ早い気がしますが…?

■小田倉小学校 関根 隆 校長
「体力向上タイムと名前を付けて、全校生が校庭で遊ぶという取り組みをしています」

こちらの小学校では、2時間目と3時間目の間の15分間子どもたちに「外遊び」を促す「体力向上タイム」を設けているのです。「子どもは風の子」。寒さなんてへっちゃらです。

■小田倉小学校 関根 隆 校長
「学校では、全員に運動の機会を与えて肥満解消とか体力向上を図るとか」「色んな狙いでやっています」

学校がこうした取り組みをする背景にあるのが「子どもの肥満」です。国のまとめによりますと県内の肥満傾向にある子どもの数が5歳から17歳の全ての年代において全国平均を上回っているのです。屋外での活動を制限された震災・原発事故後、「子どもの肥満」が一段と悪化した県内ですが、その問題はいまも解消されていません。その理由というのが…?

■大分大学医学部小児科学講座 井原健二 教授
「車で移動するということが多いと、なかなか身体を動かす全体的な時間が少ないのかなと思います」

これは、福島県だけに限ったことではありませんが、登下校が車での送り迎えだったり、ゲームやタブレット端末の普及で家の中にいても遊べたり、そんな環境が子どもの肥満に拍車をかけているというのです。「体力向上タイム」を設けたこちらの学校。外で遊ぶようになって、子どもたちのストレス軽減や集中力の向上にも繋がったといいます。肥満対策だけではなく日本眼科医会によりますと、太陽の光を浴びることは、「子どもの近視の予防」に良いとされています。

■小田倉小学校 関根 隆 校長
「本当に運動しない子は家に帰っても運動しないですし、何とか一日の中で身体を動かすということを必ずやるというのが大切だと思います」

専門家は、学校だけではなくそれぞれの家庭でも子どもが体を動かす機会を作ってあげることが大切だと指摘します。

■大分大学医学部小児科学講座 井原健二 教授
「子どもの肥満は大人の肥満でもありますので、両親や兄妹も含めて」「身体を動かす、外で遊ぶような環境を作っていくという、家庭ごとの取り組みも必要だと思います」

最終更新日:2025年3月4日 18:36