サンフレッチェ広島・久保允誉会長が語る 新スタジアム「エディオンピースウイング広島」【テレビ派・長島カイセツ】
広島テレビの長島清隆解説委員が、注目のニュースを分かりやすく分析・説明する『長島カイセツ』です。サンフレッチェ広島・久保允誉会長に、「エディオンピースウイング広島」について話を聞きました。
今シーズンのサッカーJ1リーグの戦いは終わりましたが、サンフレッチェ広島にとっては、新スタジアム「エディオンピースウイング広島」元年でした。サンフレッチェ広島は、最後まで優勝争いをしたこともあり、ホームゲーム19試合の来場者は48万人を超え、17試合のチケットが完売したということです。
このスタジアム建設に尽力した、サンフレッチェ広島の久保允誉(くぼ・まさたか)会長に話を聞きました。
■サンフレッチェ広島 久保允誉会長
「陸橋を渡っていくファンの姿を見ていると、本当にどういうのか、いつも顔がニコッとするんですね。本当に街中スタジアムが、思い描いたようなスタジアムができて、感無量でありますね。」
久保会長が「感無量」と語るピースウイング広島は2024年2月、広島市中心部に開業した、まさに「街なかスタジアム」です。
しかし、計画の段階で県と広島市、商工会議所で構成する検討協議会が推したのは、広島市南区宇品地区の「広島みなと公園」にスタジアムを作る案でした。これに異を唱えたのが、久保会長です。
■サンフレッチェ広島 久保允誉会長(2016年)
「みなと公園に新しいスタジアムの建設が決まった場合、サンフレッチェは新しいスタジアムを使うつもりはございません。」
その上で、広島市中心部に建設する独自案を提案し、街なかスタジアムが実現しました。
■サンフレッチェ広島 久保允誉会長
「「久保さん、費用対効果だよね。年間何試合やるの。」「採算ベースにはあわないから、久保さんあきらめんさい」と。いろんな会合の中で、応援の言葉はひとつもなかったですね。そんな中で、諦めずにサポーターと一緒に、そして、県民市民が後押しをしてくれて、市が動き、県が動き、こうしてスタジアムができた。」
久保会長の話の中で「後押し」という言葉もありました。このスタジアム建設には、サポーターの力も大きく、サンフレッチェ広島が呼びかけた署名活動もありました。クラブとサポーターの思いが完成につながりました。
エディオンピースウイング広島の建設には、事業費として合わせておよそ285億円かかっています。その内、個人や団体からの寄付が77億で、かなりの金額を占めています。さらに、およそ6億4000万円が個人からの寄付でした。
2年目以降に向けて、1年目の新鮮さは徐々に薄れていくことから、試合がない日にどれだけの人に継続して来場してもらえるか、また、チケットがすぐに完売する入手困難な状況をどのようにするのかが課題として挙げられます。
現在の席数が2万8500席で、サポーターや選手からも「席を増やせないか」という声が上がっています。これについて、久保会長に話を聞きました。
■サンフレッチェ広島 久保允誉会長
「意外とパブリックビューイング、ガンバ大阪戦も5000人強来てもらったということで、いろんな使い道があると思っていますし、コンサートなども誘致をしていきたいと思います。」
さらに、収容人数についても聞きました。
■サンフレッチェ広島 久保允誉会長
「席も増やせると聞いておりますので、状況を見ながら3万規模までできますんでね。それ は1つの検討として、材料として、今の状況を十分把握しながら進めていきたいなと思っています。」
2年目以降のスタジアムにも期待が膨らみます。その上で、久保会長は「来シーズンは、もう一度頂点を目指して、サポーターと共にがんばる。」と話していました。スタジアムと共に、何よりもサンフレッチェ広島の勝利が必要ということです。来シーズンの戦いにも、期待していきましょう。