打ち上げ花火の悩み「燃えカス」 ゴミ問題や被害の解決と日本の伝統を守るため若き花火師が挑む【徳島】
夜空を彩る打ち上げ花火。
最近は夏だけでなく、ほかの季節でも見られるようになっていますが、各地で行われる花火大会の悩みのタネとなっているのが「燃えカス」の飛散問題です。
2024年には、徳島県の鳴門市の花火大会がこの燃えカスが原因で中止となりましたが、この問題の解決に向けて、新しい花火を徳島県阿南市の花火業者が開発しました。
明治20年創業、阿南市新野町の岸火工品製造所です。
年間約1万発の花火を製造し、打ち上げている老舗の花火業者です。
岸火工品製造所7代目の岸洋介さんに、130年以上受け継がれてきた打ち上げ花火の製造方法を聞きました。
はじめに「星掛け」を行います。
「星」とは、花火の中に詰まっている玉のこと。
芯に火薬と色の粉をかけ、星を大きくしていきます。
このあと天日干しして、乾燥させます。
星を大きくするためには、この作業を繰り返し行います。
続いて、玉仕込み作業。
割薬と呼ばれる、上空で開かせるための火薬と、花火の模様となる星を玉皮と呼ばれる容器に詰めていきます。
この仕込みは、手元の1mmの狂いが、上空で1m狂うと言われており、手元で繊細な作業が必要です。
そして「玉貼り」、まわりに紙を貼って完成です。
こうして出来上がった花火は、徳島県内だけでなく、全国各地で打ち上げられています。
岸さんは、2019年に徳島県三好市で全国の一流花火職人たちが集う「にし阿波の花火」を仲間たちと主催しました。
岸さんは、「阿波踊り」に並ぶような観光コンテンツが徳島でできないかと考え、花火大会で徳島を盛り上げていこうと実施しました。
そして岸さんは、2023年の2回目の「にし阿波の花火」でグランドフィナーレを担当し、準優勝にも輝きました。
しかし、この花火が最近では苦境に立たされています。
打ち上げたときに出る「燃えカス」が、民家の屋根や車につくという被害や苦情が寄せられることが増え、2024年は徳島県内最大規模の花火大会「鳴門市納涼花火大会」が中止となりました。
「何とか花火大会を守りたい」、岸さんは4年前から燃えカスの少ない花火を作ろうと研究を重ね、このほど完成させました。
打ち上げ花火では、「燃えカス」が最大400mも風に飛ばされていきます。
新しく開発したものは「燃えカス」がほとんど残りません。
「燃えカス」の少ない花火は、粉から星を作るので従来の何倍もの労力がかかります。
2025年1月には、鳴門の冬花火や、地元の小学校の150周年祝いにこの花火を打ち上げました。
この2回の花火でごみを減らすことができたことから、岸さんは確かな手ごたえを感じています。
(岸火工品製造所7代目 岸洋介さん)
「極論を言うと、花火を辞めないといけないところもあるのかなと。そういうところで、この花火であれば、ひょっとすると安全かつ苦情が少ない形で実施ができる可能性があるっていうところに、私もスタッフも手ごたえを持ってます。けっこう海外でも同じような形でゴミの問題は出てきている。さらにダストフリーを研究していって、日本の問題の解決と、海外にその花火を持っていったらどういう反応になるんだろう。そういうところも視野に入れながら、がんばりたい」
最近は夏だけでなく、ほかの季節でも見られるようになっていますが、各地で行われる花火大会の悩みのタネとなっているのが「燃えカス」の飛散問題です。
2024年には、徳島県の鳴門市の花火大会がこの燃えカスが原因で中止となりましたが、この問題の解決に向けて、新しい花火を徳島県阿南市の花火業者が開発しました。
明治20年創業、阿南市新野町の岸火工品製造所です。
年間約1万発の花火を製造し、打ち上げている老舗の花火業者です。
岸火工品製造所7代目の岸洋介さんに、130年以上受け継がれてきた打ち上げ花火の製造方法を聞きました。
はじめに「星掛け」を行います。
「星」とは、花火の中に詰まっている玉のこと。
芯に火薬と色の粉をかけ、星を大きくしていきます。
このあと天日干しして、乾燥させます。
星を大きくするためには、この作業を繰り返し行います。
続いて、玉仕込み作業。
割薬と呼ばれる、上空で開かせるための火薬と、花火の模様となる星を玉皮と呼ばれる容器に詰めていきます。
この仕込みは、手元の1mmの狂いが、上空で1m狂うと言われており、手元で繊細な作業が必要です。
そして「玉貼り」、まわりに紙を貼って完成です。
こうして出来上がった花火は、徳島県内だけでなく、全国各地で打ち上げられています。
岸さんは、2019年に徳島県三好市で全国の一流花火職人たちが集う「にし阿波の花火」を仲間たちと主催しました。
岸さんは、「阿波踊り」に並ぶような観光コンテンツが徳島でできないかと考え、花火大会で徳島を盛り上げていこうと実施しました。
そして岸さんは、2023年の2回目の「にし阿波の花火」でグランドフィナーレを担当し、準優勝にも輝きました。
しかし、この花火が最近では苦境に立たされています。
打ち上げたときに出る「燃えカス」が、民家の屋根や車につくという被害や苦情が寄せられることが増え、2024年は徳島県内最大規模の花火大会「鳴門市納涼花火大会」が中止となりました。
「何とか花火大会を守りたい」、岸さんは4年前から燃えカスの少ない花火を作ろうと研究を重ね、このほど完成させました。
打ち上げ花火では、「燃えカス」が最大400mも風に飛ばされていきます。
新しく開発したものは「燃えカス」がほとんど残りません。
「燃えカス」の少ない花火は、粉から星を作るので従来の何倍もの労力がかかります。
2025年1月には、鳴門の冬花火や、地元の小学校の150周年祝いにこの花火を打ち上げました。
この2回の花火でごみを減らすことができたことから、岸さんは確かな手ごたえを感じています。
(岸火工品製造所7代目 岸洋介さん)
「極論を言うと、花火を辞めないといけないところもあるのかなと。そういうところで、この花火であれば、ひょっとすると安全かつ苦情が少ない形で実施ができる可能性があるっていうところに、私もスタッフも手ごたえを持ってます。けっこう海外でも同じような形でゴミの問題は出てきている。さらにダストフリーを研究していって、日本の問題の解決と、海外にその花火を持っていったらどういう反応になるんだろう。そういうところも視野に入れながら、がんばりたい」
最終更新日:2025年2月21日 20:36