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火災から命を守るために気をつけることは? 「しほママの目からウロコの防災術」

2023年11月28日 18:10
火災から命を守るために気をつけることは? 「しほママの目からウロコの防災術」

1973年11月29日、現在の下通アーケードで営業していた「大洋デパート」で起きた火災。104人が犠牲となり、国内のデパート火災史上最悪の惨事となりました。あれから50年。今も相次ぐ火災から命を守るために。「しほママ」こと防災士の柳原志保さんと一緒に私たちができることを考えます。

火災から50年を前に11月14日、大洋デパートの跡地に建てられた商業施設で消防訓練が行われました。訓練は、商業施設の3階から出火し、複数の人が逃げ遅れたという想定で行われました。訓練にははしご車も登場し、屋上や5階にはしごを伸ばし、取り残された人を救助する訓練を行いました。

■大洋デパートの店舗で勤務の経験がある女性
「一緒に仕事をしていた仲間が何人も亡くなられました。今日は、現場の訓練を見たいと思ってきました。感慨深いものがあります」

■熊本市中央消防署 警防課本田淳消防司令
「このほかにも大きなビルや商業施設あります。話を持って行って一緒に訓練しましょうと、そういう形で防災対応力の向上に努めたいと思います」

(しほママ)
ビルや商業施設では火災を防ぐのはもちろん、火災が起きてしまったときに私たちがどう行動するか考えておくことも大切です。
避難する時の大切な約束があります。それが『おかしもち』です。
「お」は「おさない」(押さない)。
「か」は「かけない」(駆けない)。
「し」は「しゃべらない」。
「も」は「もどらない」(戻らない)。
「ち」は「ちかづかない」(近づかない)です。

(永島由菜アナウンサー)
この『おかしもち』、幼稚園や小学校の避難訓練で使われているようですが、私たち大人も覚えておくべきものですね。

(畑中香保里キャスター)
この時期、住宅火災も増えていますよね。

(永島アナウンサー)
今年、熊本市消防局管内で26日までに発生した火災は169件です。原因別に見ると、「たき火」が19件で最多となっています。

(しほママ)
「畑の草刈りで出たものを燃やしていた火が燃え広がる」という事例が多いようですね。

(永島アナウンサー)
そして次に多いのが「コンロ」で13件となっています。こちらの映像をご覧ください。

【実験映像:コンロから出火 NITE提供】
(永島由菜アナウンサー)
これは汚れた鍋を使ってしまい、火が出るという映像です。

(しほママ)
最近では、火がついて数分経つと自動で火が消える安全装置付きのコンロもありますが、このように汚れた鍋を使ったり、揚げ物をしたりする時に、規定量より少ない油を使って調理したりすると、温度を感知するセンサーが作動せず、発火する恐れがあります。

(永島アナウンサー)
そして3番目に多いのが、「コンセントなどの配線からの出火」で12件です。

【実験映像:コンセントから出火 NITE提供】
こちらは、コンセントにほこりがたまることが原因で出火する、いわゆる「トラッキング現象」です。

(しほママ)
定期的にコンセントまわりを掃除することが大切です。また、家具の下敷きになったコードが断線し、火災につながることもあるため、注意が必要です。

(しほママ)
こうした身の回りの火災からいのちを守るために、消防庁はホームページなどで「命を守るポイント」を紹介しています。
まずは4つの習慣。「ストーブの周りに燃えやすいものを置かない」などがあります。

(永島アナウンサー)
先ほどのコンロやコンセントの注意点も記載されていますね。

(しほママ)
次に6つの対策です。

(永島アナウンサー)
「安全装置のついた機器の使用」や「防火防災訓練への参加」などがありますね。

(しほママ)
ここで取り上げたいのが、火災が起きてしまった時に被害が大きくならないために必要な『住宅用火災警報器』です。

(畑中キャスター)
消防法で設置が義務付けられていますね。これは煙を感知して音と光で知らせてくれるものですね。

(しほママ)
そうです。でもこの火災警報器、故障していていざという時に動かないと意味がないですよね。そこで定期的な点検が必要なんです。紐を引くか、ボタンを押すことで点検することができます。実際に紐を引いてみます。

★音が鳴る

(永島アナウンサー)
この音が鳴らなければ電池が切れているということですね。手書きで書いてある数字は何ですか?

(しほママ)
火災警報器の使用期限は10年。わかりやすいようにペンで外側に書いています。

(永島アナウンサー)
こんなに大きく書いてあると高齢の方も分かりやすいですね。

(しほママ)
そしてもうひとつ、「火災の拡大を防ぐために衣類などは防炎品を使用する」。畑中さんが持っているエプロンは、火の粉がついても燃え広がりにくい素材でできています。

(永島アナウンサー)
今の寒い時期、暖まりながら火災が広がるのを抑えることができるのはいいですね。

では、きょうのしほママの格言、お願いします!

(しほママ)
「注意」です。ほとんどの火災は注意することで防ぐことができます。約束、習慣、対策で命や財産を守りましょう。