【また信号無視】熊本市電が赤信号で交差点に トラブルは今年12件目 「右折車に気を取られた」
■熊本市交通局 井芹和哉交通事業管理者
「再発防止に取り組む中、このような事案を発生させてしまったことは、交通局として大変重く厳粛に受け止めております。誠に申し訳ございません」
トラブルが起きたのは、熊本市電が走る中央区花畑町の銀座通り歩道橋交差点です。熊本市交通局によりますと、2日午後0時20分頃、熊本市役所方面から花畑町電停に向かう市電が、信号を無視して交差点を直進しました。乗客約40人と運転士にけがはありませんでした。また、右折レーンには車2台が並んでいましたが、市電が進行していたため止まったため、事故にはならなかったということです。目撃した人から交通局に信号無視を指摘するメールが届き、発覚しました。
トラブル当時、自動車用の信号は赤で、右折車のみ進める表示だったということです。また市電用の信号は進行を示していませんでした。市電の60代の運転士は、交通局の聞き取りに対し「右折車に気をとられていた」と話していて、信号に気づいていなかったとみられます。
熊本市交通局は、今回のトラブルが重大な事故につながる「インシデント」にあたると判断し、九州運輸局に報告しました。熊本市電では、今回を含め赤信号で交差点に進入するなど安全にかかわるトラブルが今年に入り12件起きていて、9月に国土交通省九州運輸局が改善を指示したばかりでした。