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県職員の3人に1人が経験「カスハラ電話は15分まで」対応マニュアル作成

2025年1月23日 21:07
県職員の3人に1人が経験「カスハラ電話は15分まで」対応マニュアル作成
3人に1人がカスハラ経験…

「カスハラ」は「カスタマーハラスメント」の略で、客による迷惑行為などを指す言葉です。例えば、客が従業員に「態度が気に入らない!」と怒鳴りつけ土下座や金銭を要求する。また交通機関で従業員に従わず危険な行為をしたり、遅延などに必要以上の補償を請求したりするといった度を超した行為が問題となっています。

厚生労働省の審議会は12月、企業にカスハラ対策を義務付ける方針を決めました。この流れは自治体にも広がっていて、熊本県でも職員の対応マニュアルを作成しました。

■熊本県・木村敬知事
「正当な苦情との線引きですとか厳しいご意見があったときの対応方法に悩んでいるという職員が多いことがわかりました」

22日に木村知事が指摘したのは、県職員に対するカスハラ行為です。増加する迷惑行為を受けて、カスハラ対応マニュアルを作成し、職員に配布しました。県が去年9月に実施したアンケート調査では、回答した職員約2900人の3人に1人がカスハラを経験していることが判明。

このうち9割がハラスメントを受けたのが、「電話対応」です。1回あたりの対応時間で最も多かったのが「1時間以上、2時間未満」で279件。「3時間以上」という回答も12件ありました。

このためマニュアルでは電話の内容がカスハラにあたるかどうか、担当者やその上司など3段階で判断し対応を決める手順を定めました。

またカスハラの種類を4つに分類し対応を終了するまでの時間の目安を示しました。
具体的には、
▽長時間にわたり要求を繰り返す「反復・時間拘束型」の電話は30分・対面では60分で対応を終了。
▽大声で怒鳴る、人格を否定するなどの「暴言型」や
▽優位な立場を利用して特別扱いを求める「権威型」は15分などとしています。
▽(もう1つは「SNS・ネットでの誹謗中傷型」)

また2025年度から、職員の要望が多かった通話内容を録音する設備を導入することも決めました。木村知事は「厳しい意見に丁寧に説明を尽くすことが重要」とした上で「明らかに妥当性を欠く要求などに対しては毅然と対応していきたい」と述べました。


【スタジオ】
熊本県の調査では、障害者や子どもの手当ての申請などに応じる健康福祉部がカスハラが一番多い結果となりました。一方、普段住民サービスを主に担うのは市町村にも様々なカスハラ対策の動きが広がってきています。

(畑中香保里キャスター)
熊本市では12月から職員の名札を苗字のみの表記にして、顔写真をなくしました。写真を撮って「SNSにアップするぞ」と脅したり、名前でSNSを検索してメッセージを送ったりする迷惑行為があったと職員から相談が寄せられたため、改善に踏み切りました。

(緒方太郎キャスター)
おととしから対策を始めたのが札幌市です。こうした啓発ポスターを窓口に掲示したほか、電話に録音機能を導入しました。担当者に聞きますと、ポスターや電話録音のアナウンスが一定の抑止力となり、目立った暴言などが減ったと感じているそうです。

(畑中香保里キャスター)
中には、自分の行為がカスハラだという自覚がない人もいるかもしれません。紹介したような取り組みが、そうした人たちの気づきになることも重要かもしれませんね。

最終更新日:2025年1月23日 21:07
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