冬の夜に発生した地震 防災士が解説「寒い時期の避難で気をつけることは」
(防災士 柳原志保さん)
もし、また地震が起きて体育館などに避難する場合今の時期、気をつけないといけないのが低体温症です。
(緒方太郎キャスター)
低体温症とは、体の表面ではなく臓器など体の内側の深部体温が35℃以下の状態のことをいいます。意識障害を引き起こす可能性があり、最悪の場合、死に至ることもあります。
(防災士 柳原志保さん)
私は東日本大震災の時、宮城県に住んでいて、雪が降る中体育館で2週間の避難生活を送りました。低体温症に特に注意が必要なのが、体が弱い高齢者や乳幼児です。東日本大震災では津波から逃れたにもかかわらず、避難先で低体温症になり亡くなる人もいました。
(畑中香保里キャスター)
低体温症を防ぐためにできることは何ですか?
(防災士 柳原志保さん)
ポイントは2つ、まずは「保温」です。水や薬などが入った基本の防災リュックに加え、防寒着や寝袋など体の温度を保つことができるものを用意して下さい。体育館は床が非常に冷たいので、室内履きもあると安心です。
もう1つが、あたたかさを加える「加温」です。カイロや湯たんぽ、温かい食事などがあるといいですね。体を温める時は、大きな血管が通る首、手首、足首、そしてお腹にあたるくびれの、4つの「くび」を中心にするといいでしょう。
(畑中香保里キャスター)
避難所だけでなく、車での避難を選ぶ人もいるかもしれません。
(防災士 柳原志保さん)
冬の車中泊ではガソリンが欠かせません。エネルギーが不足する被災地では、暖房がきく車は貴重な避難場所になります。普段からガソリンが半分になったら満タンにする習慣をつけておくといいかもしれません。ただし、雪が積もる場所は車が埋もれた場合、一酸化炭素中毒になるおそれがあるのでエンジンは切るようにして下さい。車中泊をする場合は、ふくらはぎを軽くもんだり適度なストレッチをしたりして、エコノミークラス症候群にならないように注意しましょう。
(緒方太郎キャスター)
この季節ならではの備えとともに、家具の固定や備蓄のチェックなどにも目を向けて災害に備えてください。
(防災士 柳原志保さん)
私は「笛」を持っておくことをおすすめします。体力を奪われやすい冬の季節、大声をあげなくても居場所を知らせることができる貴重な防災グッズの一つです。