バスや列車に"ほとんど乗らない"熊本市民 全国一の渋滞の背景に「マイカー文化」
国土交通省の調査で、熊本市は「主要渋滞か所」の数と中心部の車の平均速度について、20の政令指定都市の中でワースト1位となっています。つまり熊本市は政令市の中で渋滞する地点が一番多く、渋滞しない場所も含めた中心部がもっともノロノロ運転だということですね。
熊本の渋滞について、特徴と背景事情を取材しました。
まず私たちが向かったのは、熊本県警察本部です。
道路標識や信号機によって交通の流れを調整する交通規制課。いわば「道路の番人」を務める上原貴智課長補佐に話を聞きました。
■熊本県警本部 交通規制課・上原貴智課長補佐
「熊本県は車社会ですので、自家用車の利用割合が高いことが要因として挙げられる」
様々な要因によって引き起こされている熊本の渋滞。その中で上原さんが指摘したのが「車の利用率の高さ」です。外出する際にどんな交通手段を使うのか。国土交通省が車のほか、鉄道やバスといった公共交通、バイクや自転車に分けて調査した結果がこちらです。
車を選ぶ人の割合は熊本市で平日は61.2%、休日は73.4%と
いずれも調査した16の政令指定都市の中で最も高い結果となりました。
「車社会」をいかに管理するのか。県警の交通管制センターでは渋滞をリアルタイムで計測・集計し、状況に応じて信号の変わる時間を自動で調整するよう制御しています。しかしこの対策だけでは限界があるというのです。
■上原貴智課長補佐
「道路の限られた中で交通が集中してそこをなんとか信号機で制御しようといろいろアイディアを出しながらやってはいるが、時間帯等にもよるが効果が目に見える形で出せていない私たちも困っている歯がゆい思いをしている」
県警だけでは手に負えない「渋滞都市」熊本の現状。どうしてこのような車社会となったのか。
そのヒントを探しに、熊本河川国道事務所を訪ねました。
話を聞いたのは、計画課の横山朋弘課長。交通量などを調査し国道作りを提案する「道路戦略のスペシャリスト」です。