国の目標値の58倍…井芹川流域の産廃処分場 排水から有機フッ素化合物検出
熊本市の井芹川の広い範囲で国の目標値を超える有機フッ素化合物が検出された問題で、熊本市は、流域の3か所の産業廃棄物処分場の排水から最大で58倍の有機フッ素化合物が検出されたと発表しました。一方で、更に上流でも有機フッ素化合物が検出されているため、熊本市は専門家による委員会を設置して原因究明を続けるとしています。
有機フッ素化合物は、発がん性など人体への悪影響が指摘されていて、国が暫定目標値を設定し値を超えた水は利用しないよう呼びかけています。
KKTと京都大学は去年、共同で熊本市を南北に流れる井芹川を調べました。
その結果、上流から中流にかけての6キロ以上にわたる地点すべてで国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物が検出されました。
指摘を受けた熊本市が1年以上調査を続けた結果、市内に8か所ある産業廃棄物処分場のうち、7か所の排水から国の目標値を超える有機フッ素化合物が検出されたことがわかりました。このうち3か所では排水が井芹川に流れ込んでいました。
3か所の排水のうちもっとも濃度が高かったのは八木運送が熊本市北区植木町鐙田で運営する処分場で、国の目標値の58倍にあたる1リットルあたり2900ナノグラムでした。
しかしこうした処分場のさらに上流でも有機フッ素化合物の濃度が目標値を超えていることから、熊本市では処分場以外にも原因があるとしています。
■熊本市・大西一史市長
「今回いろいろと調査をさせていただきましたけれども、このすべての原因がこの処分場によるものではないということであります。まだわかりません。原因の調査、そして対策の強化、こういったものをどうすればいいのか。専門家委員会を設置をして取り組んでまいりたい」
専門家による委員会は年明けにも設置される予定です。