【全国初】交通系ICカード決済の廃止から1週間 熊本のバス利用者への影響は
熊本県内のバスと電鉄5社で、11月16日から全国交通系ICカードによる決済が廃止されました。全国初となる廃止から1週間。乗客への影響と、新しい決済手段を取材しました。
全国交通系ICカードによる決済廃止から1週間がたった11月24日、熊本空港では、県外から来たバス利用者に支払方法を案内していました。全国初となる決済方法の転換に、県外から来た人は。
■東京からの男性
「(流れに)逆行した感じといいますか、少し不便な感じは受けますね」
■東京からの男性
「東京からずっとICカードで乗り継いで来たので、そのまま使えた方が便利ですよね」
全国交通系ICカードでの決済を廃止したのは、九州産交バス、産交バス、熊本電鉄、熊本バス、熊本都市バスの5社。機器の更新費用12億円が経営を圧迫するとして、決済方法の転換に踏み切りました。県民の理解は進んでいるのでしょうか。
■男性
「妻はICカードは持ってるんだけど、くまモンカードは持ってないから現金で両替しないといけない。すごく不便」
■子どもを連れた女性
「(子どもがいるので)両替に立っていくのが申し訳ない時とかもある。コストとかがかかる面では仕方ないのかな」
クレジットカードのタッチ決済が導入されるのは、来年3月の予定です。それまでは現金か、地域限定型の「くまモンのICカード」しか利用できません。
■女性
「その時(クレジットカード決済が導入される3月)までの空白期間があるのは、えー!なんでっ?て感じでした。すごく不便だと思います」
廃止から1週間。バス5社の共同経営推進室によりますと、決済トラブルによるダイヤの遅れなどは出ていないということです。
各社は来年3月のタッチ決済導入に向けて、クレジットカードに対応するため端末の更新作業を進めています。所有率の高いクレジットカードの決済導入で利用者の不安を解消できるとして、端末の更新作業を進め、少しでも導入を早めたい考えです。
■九州産交バス共同経営推進室 今釜卓哉担当課長
「一日でも早く、利用開始できるように準備を進めていきたいとに考えています」
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
くまモンのICカードを運営する肥後銀行は、全国交通系ICカードの廃止から1週間あまりで売り上げが伸びていると話しています。
(畑中香保里キャスター)
来年2月までは、一部の時間帯を除いてバスの運賃が半額になる半額パス付きのカードも2500円で販売されています(500円のデポジット込み)。
(緒方キャスター)
そして、3月に導入予定のクレジットカードのタッチ決済ですが、60分以内に乗り継いだ2台目のバス運賃が20円安くなる「乗り継ぎ割引」が適用されます(1台目も2台目もクレジット決済の場合)。
「乗り継ぎ割引」はバス同士だけではなく、バスと熊本市電、熊本電鉄の電車を乗り継いだ際にも適用する予定だということです(バス・電車両方ともクレジット決済の場合)。