全国「住みよさランキング」 トップ10に熊本の2市 1位は人吉市その背景に迫る
出版社の東洋経済新報社は毎年、全国の都市を対象に「住みよさランキング」を発表しています。全国トップ10の総合1位と5位に熊本県の自治体が入りました。5位は合志市でした。そして1位に輝いたのは県南地域の人吉市です。
人吉市は人口約3万人。名物の「球磨川くだり」など豊富な観光資源が魅力です。観光地としても魅力ですが、今回は住みやすさで全国1位になりました。どうして1位になったのでしょうか?
「住みよさランキング」は、全国812の都市を対象に調査しています。順位の指標となるのは、①安心度、②利便度、③快適度、④富裕度の4つの視点のあわせて20項目のデータです。
特に人吉市は、安心度と利便度 において高い評価を得ました。
安心度というのは、子育てや、医療・治安の面をさしています。人吉市は安心度で総合1位となっていて、人口1000人あたりの病床数が最も多く、刑法犯認知件数が0.87件と少ないんです。
さらに、子どもの医療費助成の項目では、去年の7月から医療費の自己負担金ゼロの対象を中学3年から高校3年に引き上げたことで、去年の481位から8位に一気に順位を上げました。
そして利便度については、人口1000人あたりの飲食店の数が7.83店舗と全国1位でした。古くからの温泉街ですから、飲食店が多いことも要因とみられます。
今回の「住みよさランキング」1位に、人吉市内の反応は?
■人吉市民
「実感があまりないというのはあるんですけれども、よくよく考えると結構、病院がいっぱいあったり、食べるところがいっぱいあったり、すごくいいと思うんです」
■人吉市民
「住みやすさ1位となるとちょっと疑問がつきますけど、好きな街となると一番になりますね、故郷なので」
人吉市は、2020年の熊本豪雨で約3000棟が被災しました。復興に向かう中で届いた一報に、市の担当者は。
■人吉市商工観光課 しごと創生係長 中矢野育江さん
「人吉市は豪雨で、特に中心市街地をはじめ災害が起きましたが、これまで災害ボランティアの皆様や市民の皆様と一丸となって復興に取り組んできた中で、このような明るいニュースが届いたことは、とても喜ばしいことだと感じています」
人吉市は1942年の市政開始以降、初めて人口が3万人を切っている現状です。住みよさの感じ方は人それぞれと思いますが、今後、移住やUターンの増加のきっかけになるかもしれません。