振ってコーヒー豆をひく「コーヒーミル」 金属の筒に詰まった伝統技術
こちらの金属製の筒。一体何に使うかわかりますか?
高岡の伝統産業の技術が生かされているもので、ある、し好品を楽しむために使われています。
長谷川記者のリポートです。
先月、高岡市の会社が発売した小さなステンレス製の筒。
実はこれ、焙煎したコーヒー豆を粉砕するために使う「コーヒーミル」なんです。
しかし、一般的な商品にはあるハンドルがこちらの商品に付いていません。
一体どのように豆をひくのでしょうか。
まず筒の中に豆を入れたあと金属の玉を入れます。
長谷川記者「実際にこちら使ってみたいと思います」
30秒間ほど筒を振り続けると、コーヒー豆は砕かれて粉となりました。
「シェーカーミル」と名付けられたこの商品。
内部の球体が豆を砕く独自の仕組みで、一般的なコーヒーミルよりもまろやかな味わいに仕上がるのが特長だということです。
開発が始まったのは去年1月。
高岡市の金物卸の会社で社長を務める中島さんのもとに届いたある依頼がきっかけでした。
秀正堂 中島のりみ社長「コーヒーが大好きで良いコーヒーをミルするっていうのを打ち砕いてやってみたいやってもらえないかっていうのが来て」
中島さんは以前から取引のあった高岡銅器のメーカーに協力を依頼。
高岡のものづくり技術がシェーカーミルの開発にも生かされたといいます。
小泉製作所 小泉俊博 代表取締役「昔ながらのろくろから始まって今は電子のNC加工とかみなさん加工場持ってらっしゃってそういう精密な加工ができるというところが高岡の特長になってるのかなという風に思っております」
30回を超える試作を重ね、今年6月に完成したシェーカーミル。
内部の球体で豆を砕く仕組みは独自の技術として特許が認められました。
先月9日の発売以降、既に30個ほどが売れたということです。
秀正堂 中島のりみ社長「振ってみてくださるお客様の顔を見てるのがめっちゃ楽しいみたいな感じでもっと広いターゲットを目指して第2弾やっていきたい」
文化創造都市・高岡で生まれた新商品。
小さな筒の中にはコーヒーの香りとともに、ものづくりへの情熱が詰まっていました。