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富山県人口減少で「撤退戦」新田知事発言の真意は

2024年5月30日 19:30
富山県人口減少で「撤退戦」新田知事発言の真意は
4月1日時点の富山県の推計人口が100万人を割り込んだことが5月に明らかになった際、新田知事は、戦いに例えて「撤退戦」と表現しました。その真意を30日の定例会見で聞きました。

5月1日、新田知事は人口100万人割れの状況を次のように発言していました。「戦いに例えると、我々は撤退戦を戦っているということ。やっぱり進軍するより撤退するほうが難しいとよく言われますけど、まさにそんな中で私たちは行政に携わっている」

30日の会見で知事にその真意を質しました。

神林記者「撤退戦と言われたのはどういう思いがあったのか、真意をお聞かせいただきたい」
新田知事「行政にとっても、より多様な課題に対して、それも少ない人数で対応していかなければ、そんな時代だということを比喩を使って申し上げた」

撤退戦のかじを自らとる新田知事、その戦略を尋ねると。

新田知事「これはやはりデジタル化が一番大きなことだというふうに思います」

しかし「撤退」という言葉には「退く」という意味が含まれています。行政サービスの廃止や縮小など、大きな政策転換の可能性を尋ねると。

新田知事「公共インフラ、これをどう今後、人口減少局面の中で扱っていくのかということは、これは多いに議論をしていかなければならないと考えています。すでに撤退戦は始まっているわけです。せっかく増やしてきた学校を減らさなければならないことがある、あるいは学級を減らさなければならないことがある。じゃあ例えばこの道路はどうするのか、この橋をどうするのかという話も絶対出てくるわけです、こういう覚悟は我々は持ってやらなければならないと思っています」

国が発表した今年1月から3月の富山県内の出生数は1254人でした。この数字は過去最少の記録をさらに更新しました。

私たち県民にとっても、この撤退戦の代償を受け入れざるを得ない局面が、そう遠くない日に迫っているのかもしれません。
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