【シリーズ】北陸新幹線開業10年 岐路に立つ富山空港
今週、エブリィでは、今月14日に開業10周年を迎える北陸新幹線が地域の暮らしや経済に与えた影響についてシリーズでお伝えします。
2回目のきょうは、新幹線との競争から岐路に立つ富山空港についてです。
富山の空の玄関口、富山空港です。
利用者は2000年代前半のピーク時には130万人を超えました。
全日空東京便は1日6往復、一時は日本航空も東京便を運航し、いわゆる「ドル箱路線」とされていました。
しかし、2015年に北陸新幹線が開業し、状況は一変しました。
大量輸送が可能で冬場の運休もほとんどない新幹線に客が流れたためです。
昨年度の利用客数は37万人余りと新幹線開業前からおよそ6割減りました。
東京便は、機体は小型化を余儀なくされ、 現在は3便に縮小されています。
県内の観光業関係者は富山空港の苦境について”正念場”とみています。
【富山県旅行業協会桶屋諭喜会長】「便数を少なくしなければ維持できない、でも少なくすればもっと人は減る、それでどんどんどんどん負の連鎖になっていくっていうのも現状の話なんで、どこでそれを踏ん張るかっていうところはあろうかと思います」
追い打ちをかけたのが新型コロナウイルスの影響でした。
国際便は、次々と休止となりました。
現在、上海便と大連便は定期便の運航を再開していますが、台北便やソウル便は臨時便やチャーター便での運航が続いています。
これに対し隣の、石川県・小松空港では、東京便は10便体制で運航されています。
また、国際線の定期便は、コロナ禍に運航を休止していたすべての路線が来月再開します。
【桶屋会長】「海外からみると、小松空港のほうが、魅力があったということだろうというふうに思い、そこでこう答えは出ているんで。絶対人口のこともあるんで、搭乗率だけ考えると、富山県だけでは勝負にならないですから」