「便利になったと言われたい」開業10年のIRいしかわ鉄道 トップに聞く“現状と課題”
「 ご乗車ありがとうございました。終点金沢です」
通勤や通学で混雑する平日の金沢駅。
利用客を運ぶ鮮やかな青色の列車を運行するのは、IRいしかわ鉄道です。
ことし運行開始10周年を迎えた、この第3セクターを経営する内田滋一社長。
IRいしかわ鉄道・内田 滋一 社長:
「鉄道の最大の課題は安全に運行するということなので、そこはしっかりできたんじゃないかなと思っています」
2015年3月、北陸新幹線金沢開業に合わせ、IRは金沢・倶利伽羅間の並行在来線の運営を引き継ぎました。
去年の新幹線の敦賀延伸では、金沢駅と大聖寺駅の区間も引き継ぎ、今は64.2キロを運行しています。
この第2の開業後の1日あたりの利用者数は5万1000人あまり、敦賀延伸効果などもあり、当初の想定より6%増えました。
IRいしかわ鉄道・内田 滋一 社長:
「敦賀の開業ということがやはり、石川県にお客様をたくさん呼び込んでくれているということもあって、私どもの会社の路線にも2次交通というような形で、結構お乗りいただいているような印象が非常に強いです」
ここ10年間の営業の収支は、コロナ禍の2年間を除き毎年黒字に… ただ今後については、大きな負担が強いられます。
1キロあたり平均してどれくらいの人が利用しているかを示す輸送密度の見込みは、金沢・倶利伽羅間に比べて金沢・大聖寺間は7割ほどにとどまる見込みです。
距離の増加に見合った運賃収入が見込めないことから、延伸後の10年間で合わせて42億円の赤字が予想されています。
赤字額の縮小に向けてカギを握るのが…
IRいしかわ鉄道・内田 滋一 社長:
「利便性を上げて、地域の方にご利用をどんどんしていただく。あとはもちろん、土日の買い物に行くときも、電車は意外といいなと思っていただける可能性はある」
さらなる利用客の増加です。
IRいしかわ鉄道・内田 滋一 社長:
「ツエーゲン金沢の応援なんかも、うちの会社、最近力を入れているんです。地域のスポーツであったり、他のイベントだったりと連携して盛り上げていくときは電車を使ってくださいと、そんなようなこともやっていくと、地域のためにもなるんじゃないかなと思っております」
3月には金沢・大聖寺間で、移動時間が最大16分短縮される快速列車の運行を開始。