加賀の温泉 キャンセル数は6万件超 どうする石川の「北陸応援割」
3連休を迎えてかき入れ時となるはずの観光地ですが、能登に比べて被害が少なかった加賀温泉郷でも宿泊客が減少しています。
地元の業者は今後の国の支援策のあり方などについて複雑な思いを抱いています。
3連休初日のきょう、加賀市の山代温泉には県外から訪れた観光客の姿がありました。
観光客:
「京都から来ました」
「食べて応援、観光して応援というのもありなのかなと思って」
「最高でした!」
本来ならば宿泊業者にとってかき入れ時となる中、ことしは例年と異なる状況が…。
宝生亭 帽子山宗社長:
「全室2次避難所として避難者を受け入れているので、 この3連休はまったく(一般の観光の)お客さんがいない状態です」
こちらの旅館「宝生亭」では、「被災者の力になりたい」と輪島市などから73人を受け入れています。
避難している人は
「ありがたいことに3食出していただいているので、 おいしくいただいています」
こうした中、宿泊業者の間で懸念が広がっているのが、国の観光支援策「北陸応援割」のあり方です。
「北陸応援割」は1泊2万円を上限に旅行代金の50%を割り引く制度。
富山、福井、新潟の3県は、北陸新幹線の金沢-敦賀間が開通する来月16日の宿泊分からの適用を決定しましたが、石川県だけ開始時期が検討中となっています。
宝生亭 帽子山宗社長:
「(当初)3月に始まると発表されて、その後何が起こったかというと、他の旅館では北陸応援割のために2月のキャンセルが 起きた。なるべく早くやっていただきたいと思います」
山代温泉観光協会によりますと、元日の地震以降の加賀市内の温泉地の宿泊キャンセル数は、先月末時点で6万6000件あまり。
避難者を受け入れている中で今後、どのようにして一般の観光客を呼び込むか、悩ましい状況が続いています。