一人も取り残さない… 仮設住宅での孤独死防ぐ取り組み 大切なのは居場所作り
仮設住宅などで暮らす高齢者の孤立を防ごうと住民たちの居場所をつくる取り組みが行われています。去年5月の地震でも大きな被害があった珠洲市正院町の地域のコミュニティづくりを取材しました。
30日、珠洲市正院町を訪れると…。お茶を飲みながら世間話に花を咲かせる人たちがいました。ここは、仮設住宅に併設された集会所です。週に3回、お茶会が開かれ仮設住宅に住む人や在宅避難をする人たちが集まっています。
蛸島の仮設住宅から参加:
「こんな会あったらいいですよみんな顔をあわせてなんでも打ち明け話したり懐かしいです。家帰ればみんな壊れた家ですからね」
30日は非常食のアルファ米のおいしい炊き方講座や…餃子の皮でピザをつくるなど、自然と会話が生まれる催しも。
民生委員の瀬戸裕喜子さんやボランティアで支援する看護師らが中心となり、ことし3月からこうした取り組みを始めました。
民生委員 瀬戸裕喜子さん:
「(仮設住宅は)地域がいろいろ混ざった人が隣り同士ということでコミュニティがなかなかとれない人がいるんじゃないかと思います。たくさんの人、もっともっと自由に参加して」
さらに、車を走らせて向かったのは別の仮設住宅です。
日曜日に小学校で行われるパレードの案内を配りながら1人1人に声をかけていきます。
瀬戸さん:「足の運動に、見に来て日曜日」
男性:「お前さまの言うことならなんでも聞くわ」
瀬戸さん:「よろしく~元気な姿で見にきてね」
去年5月の地震でも大きな被害を受け仮設住宅も建設された正院町。そのときの経験やつながりが今回の地震でのコミュニティづくりに生かされていました。
「(去年も)月1回、今日のお茶会みたいなイベントとか、顔見知りということで今回のコミュニティづくりという声もつなぎやすく仕組みづくりも取り組むやすかった。(仮設住宅は)周りから遮断されるようなつくりになっているので、自分から外に出ていかないと私たちみたいな看護師が訪問してますけどそれでもこもってしまう方、そういう方が孤独死になりやすいかなと」
県内では今月、輪島市内の仮設住宅に暮らす高齢女性が孤独死していたことが判明しました。
1人も取り残されないために。隣近所で顔をあわせる居場所づくりが行われていました。