【祝.伝統的酒造りユネスコ無形文化財登録】蔵数日本一‼「焼酎王国」鹿児島の蔵が目指す消費拡大への秘策は⁉
■鹿児島県の焼酎の現状とは...
■県酒造組合 会長が考える課題と解決策は⁉
(鹿児島県酒造組合・濵田雄一郎会長)
「団塊の世代、団塊の世代ジュニア、この方々の支えでこれまでやって来たところがある。高齢化による飲酒の量が減ったり、新しい若年層の支持を得て埋め合わせるという仕組みができていない。ここが一番の課題」
濵田会長は“香り系”と呼ばれるジャンルが 近年、注目を集めていると指摘。消費量を増やすため、こうした新たなものを提案していくとしています。
■”フレーバー系焼酎”の先駆者”国分酒造”
(国分酒造・笹山護社長)
「名前の通りオレンジっぽい風味がありますし、よく言われるのはライチ系の風味がある焼酎です」
一般的な芋焼酎は、米麴を使いますがフラミンゴオレンジは芋麴を使い蒸留方法も真空状態でアルコールの沸点を下げる減圧蒸留という手法を用いています。
(国分酒造・安田宣久杜氏)
「普通の水は(沸点が)100度ですが真空状態にすると、段々、沸点が下がってきて50度 付近になる。それで蒸留する。低い温度で蒸発させるので、中の焼酎の生の感覚が匂いがよくでる」
原料に「サツママサリ」というサツマイモを使うことでフルーティーな香りが際立ちました。
(国分酒造・笹山護社長)
「生芋の状態でもフルーティーな香りがあり、その香りが焼酎にも出ていて、フレーバー系の焼酎にはぴったりの芋だと思う」
原料から蒸留まで拘って作られた”フラミンゴオレンジ”2018年の発売以降、若い世代や女性を中心に人気を集めています。
(国分酒造・笹山護社長)
「コロナ禍の伸びは“フラミンゴオレンジ”が非常に大きくて、うちの代表的な焼酎となり国分酒造を支えてくれている銘柄に育ってくれています」
蔵を代表する商品となった今では、“フラミンゴシリーズ”として他にも2種類のフレーバー系焼酎を販売しています。ミントのような風味で、ペンギンのラベルが特徴の“クールミントグリーン”濃厚なバナナの香りでマグノリアの花のラベルが特徴の“サニークリーム”
(国分酒造・笹山護社長)
「今後焼酎を伸ばしていくためには若い方後女性の方々にいかに飲んでいただくか。フレーバー系焼酎は焼酎を飲んで頂くきっかけになる為には絶好の焼酎だと思っている」
フレーバー系焼酎が焼酎業界に吹き込む新しい風に期待です。そして、新しい風はこちらからも…
■志布志の酒造会社でお酒の開発に…使われていたものは⁉
(若潮酒造・上村曜介経営戦略室長)
「志布志のイチゴ農家さんから規格外で余っている苺があるという事で、それが、なにか商品開発できないかという話があってそれで、芋焼酎と苺を使ってお酒を開発したのが最初」
2022年に“fスピリッツ”シリーズの「志布志産のイチゴ&カルダモン」「東串良産のキュウリ&ラベンダー」の2種類を発売しました。「f」はフレンドシップ、フードロスを意味しています。
(若潮酒造・上村曜介経営戦略室長)
「規格外の農作物を使っているので少しでもフードロスや、そういったものの削減に繋がればいいなと思っている」
10月1日には新たなフレーバーも発売します。
(若潮酒造・上村曜介経営戦略室長)
「大隅半島は農家が多くいるので、キュウリとか人参とかピーマンとか、そういった物 も言われて、それだったらチャレンジしてみようということで6種類のレパートリーで作っている」
その中の一つ、“青ゆず&ホワイトペッパー”九州で一番の生産量を誇る曽於市の青柚子ですが、需要があるのは、ゆず胡椒用の皮ばかりで、果肉の用途は限られていました。
(メセナ食彩センター・木原貴之工場長)
「皮メインで果汁は需要が無かった。独特な香りがあるのでなかなか使いづらい。青柚子果汁を使って頂けるということは非常に嬉しいことでした」
若潮酒造はそんな青柚子に目を付けました。
(若潮酒造・上村曜介経営戦略室長)
「今まで焼酎に使われていなかった原料を使って新しい香りを付けて商品を作るっていうことも取り組んでいきたいと思っていて、そうしたら焼酎の幅がより広がっていくと思う」
鹿児島の焼酎業界に吹き始めた新たな風。芋焼酎の人気回復の一手となるか。今後に期待です。
2024年9月25日 KYT.news.everyかごしま 放送