【全国的に増加】あなたはどうする?空き家問題 少子高齢化で増加!自治体の取り組みは!?
国の調査によると、住宅全体に占める放置された空き家の割合は、鹿児島が全国ワースト1位です。少子高齢化などの影響で全国的に問題となっている空き家・・・。あなたはどうする!?自治体の地取り組みは!?家族が集まる時期に、ぜひ考えてもらいたい・・・。取材しました
■空き家…あなたはどうしますか?解体して売却を選択した家主は?
7月、鹿児島市の住宅街で空き家の解体作業が行われていました。持ち主の水町 道太郎さんです。祖父母が住んでいた家を、この夏、手放す決断をしました。
(空き家主・水町道太郎さん)
「90歳を超えたあたりから認知症の兆候が出てきて、老人ホームに入ることになった」
祖父母が老人ホームに入ってから1、2年程は、手入れはしていたものの空き家の状態になっていたと言います。家族で話し合いを重ね、老人ホームの費用などのために売却することを決めました。
(空き家主・水町道太郎さん)
「よく遊びに来てた家だったので、いざ解体して、途中とか空き地になったのを見るとちょっと寂しい。父も育った家だったので、出来れば残しておきたいという思いは勿論あった」
■全国の空き家の状況は!?鹿児島県の状況は!?
人口の減少や少子高齢化で今、空き家が全国的に増えています。国の調査によりますと、全国の空き家の数は900万戸で前回に比べ50万戸増え過去最多となりました。住宅全体に占める空き家の割合でみると鹿児島は全国4位の20.4%。このうち使用の目的がない、いわゆる「放置空き家」の数は、12万2200戸で住宅の総数に占める割合は13.6%となり、全国でワースト1位です。理由は、県外に転出した人が実家を残している、持ち主である高齢者が病院や福祉施設に入居するなどが挙げられています。
人口1万5000人以上の自治体を対象にした調査で、放置空き家率の割合が、県内で最も高いのが肝付町です。町を案内してもらうと草木が生い茂り、なかには屋根などに穴が開いた家もありました。肝付町最大の祭りが行われる、こちらの通りでも・・・。
役場の職員は・・・
(肝付町移住サポートセンター・仲西 康至地域プロジェクトマネージャー)
「ここが流鏑馬の通りになる。この両脇にも空き家がある。この辺は町の中心になるが、それでも空き家が増えている」
肝付町高山で900年以上続く高山流鏑馬が行われる四十九所神社の参道でも空き家が目立っているといいます。
(肝付町移住サポートセンター・仲西 康至地域プロジェクトマネージャー)
「一番の困り事は景観が悪くなること。肝付町も高齢化率が高くなっているのでお年寄りの方が特に隣近所がいなくなることで不安になっている」
■空き家対策に自治体はどう向き合う!?
こうした現状に、町も空き家対策に乗り出しました。肝付町は約10年前から空き家の情報を「空き家バンク」として発信。更に2年前からは空き家の情報収集のほか、移住を希望する人と空き家をマッチングさせる取り組みも始めました。
(肝付町移住サポートセンター・仲西 康至地域プロジェクトマネージャー)
「1年間に250件位、空き家の問い合わせが来た。昨年は、38件の空き家の成立につながったので、情報をどんどん発信することで空き家問題が少しでも片付けば」
年間50軒ほどの情報を集めているといいますが、町内には全体で約1500軒あり、まだまだ情報が足りないと言います。
(肝付町移住サポートセンター・仲西 康至地域プロジェクトマネージャー)
「お盆に家族皆さんが集まった時に、空き家情報を役場にして頂きたい」
歯止めがかからない、空き家の増加を食い止めようと自治体も動き出しています。鹿児島県は去年、空き家の利活用のアイデアを発表する学生コンテストを主催。助成金を出して実現に向けての取り組みを進めていました。
そのうちの一つ、霧島市では空き家を改修して子供たちが集まる施設に生まれ変わりました。手がけたのは、第一工科大学で建築を学ぶ学生17人です。コンテストで優秀賞を受賞し県からの補助金120万円をあて、約5カ月をかけて壁紙の張り替えやドアの取り付けなどの改修を行い、今年2月に完成しました。1階は子供たち向けの図書室や遊び場。2階は宿泊施設として利用できます。
(第一工科大学建築デザイン学科4年・立山智大さん)
「元々は家財や、書斎ということでパソコンや本があったが一度運び出して、床などを拭いて、きれいにしてこの空間からできることはないかと考えて、イスを設計するなどに発展した」
イスや机などの家具も県産の木材を使って学生が手作りしています。
かつての空き家は、人々が再び集う地域の場所に変わりつつあるようです。
(第一工科大学建築デザイン学科4年・立山智大さん)
「横川町の一つの拠点、地域活性の始まりの場所になれば、色んな年代の人が、ふれあううことで、にぎやかな場所になってほしい」
誰でも自分ごととして考えなければならない空き家の問題。家族や親類で集まる機会に自分たちの思い出が詰まった家をどうしたらよいか、話し合ってみてはいかがでしょうか。
(2024/8/14 KYT news.everyかごしま 放送)