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親の“老い” 自分にできるサポートとは?長崎出身作家が実話をつづる『最後は住みたい町に暮らす』《長崎》

2024年3月30日 6:45
親の“老い” 自分にできるサポートとは?長崎出身作家が実話をつづる『最後は住みたい町に暮らす』《長崎》

エブリィカルチャーです。

80代の両親が、安心して生活できるように便利な場所への住み替えや人生の整理をサポート。

長崎市出身の作家が自身の実話をつづった本が人気を集めています。

2025年には5人に1人が75歳以上の後期高齢者となる日本。

長崎市の書店では1冊のノンフィクションが人気を集めています。

(メトロ書店読書アドバイザー 川崎綾子さん)
「介護の問題や相続、実家をどうするとかという問題が出てくると思うが、この本はそういう意味で身につまされる本」

『最後は住みたい町に暮らす』

長崎市出身の作家、井形慶子さんが長崎市で暮らす80代の両親をサポートした、2年間の記録です。

一緒に海外旅行をした時に親の"老い”を感じた井方さん。

(作家 井形慶子さん)
「一つ一つの動作がすごく遅くなっている」

当時、両親は海が見える、長崎市郊外の3階建ての住宅で生活していました。

(作家 井形慶子さん)
「長崎によくある長い坂道とか。買い物にも病院にも行けない。母がお父さんがいつか死んだら、私はこの大きな家で一人で暮らすのはさみしいから、街に移りたいっていったんです」

こうして始まった住み替え。

体力に見合った便利で暮らしやすい生活の拠点について、考えたといいます。

(作家 井形慶子さん)
「商店街があり、散歩すると浜町にも行けて・・・みたいな、そういうエリアというのが頭にあった」

良い場所を見つけて、実際に引っ越すとこんな変化が。

(作家 井形慶子さん)
「とにかく毎日歩くようになった。父は大体、1日1万歩くらい」

新居には大切にしていた家具をこれまで通りに配置したり、植物や絵画、間接照明などをうまく活用。

心地よい空間づくりを心掛けたといいます。

(作家 井形慶子さん)
「同世代の高齢者が、私もこの近くに来たいみたいなと。長崎に住む高齢の方の潜在的な願望なのかと」

引っ越しに付随する「家財の減らし方」も紹介。読者からの反響が大きかったそうです。

(作家 井形慶子さん)
「必要なものを選んでいくという作業、例えばイスだったら、この椅子の中から2つだけ選んでなど、あとは極力、売ることに専念した。次の世代に引き継ぐということで納得していた」

また、「遺言書づくり」や「相続」など、人生の整理につながる親子でも踏み込みにくい(お金の)話もつづっています。

(作家 井形慶子さん)
「両親が大好きな街に暮らして、余生を送っていくこの安心感や安らぎ感、それで平安なまま、最後を迎えるっていうのがとてもよかったなと、娘の立場としては思ってます」

高齢化が進む現代。

家族のあり方や、高齢者の暮らし方の参考になりそうです。

(佐藤アナウンサー)
今日は本の話題でしたけど、藤井さんも本を結構出されていますよね。

(藤井貴彦アナウンサー)
「今の人がおっしゃっていたように、本を通して何かを伝えたい思いがあったんですよ。
親が自分の老いをうけとめられるか?親の老いを子供たちが受け止められるか?ということから、老後ってスタートするので、ぜひあの本を読んで作者の思いを受け取ってほしいと思います」