「外国人が免許を取りやすい環境に」運転免許の学科試験 “20の言語” で受験可能に《長崎》
様々な業界で人手不足が深刻となる中、技能実習生など外国人の労働者を受け入れる企業も増えています。
外国人労働者に仕事の幅を広げてもらおうと県警は、28日から20の言語に対応した運転免許の学科試験を始めました。
解体工事などを手掛ける佐世保市の「北斗」。
人手不足への対応のため、外国人の技能実習生を受け入れていて、現在はカンボジアから来た6人が現場などで活躍しています。
ただ、仕事内容には制限が。
(北斗 神元良憲 社長)
「移動や資材を運ぶなど、車を使うことが非常に多い。技能実習生が運転できたらというのは現場ではあった。でも免許がないから乗れない」
実習生たちは運転免許を持っていないことから、日本人の従業員が現場まで送迎する必要があります。
産業廃棄物の運搬などの業務も任せることができません。
(北斗 神元良憲 社長)
「(免許の)試験を受けるよう勧めているが、言葉の壁があってなかなか受けられなかった」
そのような状況を受け、県警が28日から始めたのが、20の言語による運転免許の学科試験です。
(県警運転免許管理課 宮園 清 次席調査官)
「外国人が免許を取りやすい環境を整備することで、労働者不足の解消につながれば」
これまで、自家用車などを運転できる「第一種免許」は、英語 中国語 ベトナム語に、タクシーやバスなどの運転に必要な「第二種免許」は英語のみに対応していましたが、先月、警察庁が外国語での試験の導入拡大を通達。
スペイン語やタイ語、ミャンマー語など対応できる言語を20に増やしました。
(県警運転免許管理課 宮園 清 次席調査官)
「(日本語の試験では)、読解に苦労した人もいると思うが、言葉の壁で受験を躊躇していた人が今回の機会に受検することも多くなるのでは」
早速、外国語での試験に臨んだ人も。
この中国人の女性はタクシードライバーを目指して、日本語で試験を受けていましたが、これまで11回にわたって不合格となっていたそうです。
初めて挑んだ中国語の試験、その結果は。
(中国人の女性)
「これまではずっと日本語で試験して無理だった。きょう初めて中国語で受けた。(合格して)うれしい。」
一種、二種の試験のほか、仮免許の学科試験や外国の免許からの切り替えの際に行う「知識確認」でも、20言語への対応が始まっています。
佐世保市の「北斗」。
今後、技能実習生の免許取得を積極的に進めていく意向です。
(北斗 神元良憲 社長)
「建設業は技能実習生なしには、(仕事が)回らない状況。なおかつ、運転ができるようになれば技能実習生がやる仕事の幅がかなり広がる。会社を挙げて全員取らせたい」