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鳥取から世界へ羽ばたけ! 高校男子バスケ・ウインターカップ準優勝の立役者 ナイジェリアからの留学生の素顔に迫る

2025年1月17日 17:29
鳥取から世界へ羽ばたけ! 高校男子バスケ・ウインターカップ準優勝の立役者 ナイジェリアからの留学生の素顔に迫る

高校バスケットボールのウインターカップで、初の準優勝を遂げた鳥取城北高校。新学期を迎えてチームも勢いづく中、話題を集める選手がいます。

鳥取市にある鳥取城北高等学校。特に変わりのない体育の授業に見えますが、ゴールを揺らす、鋭いダンクシュートを決める生徒の姿が。ひときわ輝く、この生徒の正体はー。

鳥取城北高校男子バスケットボール部2年生の、ハロルド・アズカ選手です。アズカ選手は身長2メートルのナイジェリアからの留学生。ポジションはセンターですが、それにとどまらない万能さや、高い身体能力などが強みです。

去年12月に行われた高校生バスケットボール全国大会ウインターカップでは、優秀選手に選ばれるほどの活躍を見せました。アズカ選手が所属する鳥取城北は、決勝で強豪・福岡大学附属大濠高校を相手に一進一退の攻防を繰り広げました。結果は57対77で敗れましたが、鳥取城北はウインターカップ準優勝を達成。山陰勢初となる栄誉を成し遂げました。

3年生が引退し、今後チームの要となることが期待されているアズカ選手。高校での姿は、日本人よりも日本人らしいと言われるほど暮らしに慣れていて、時には日本の文化について軽口をたたき合うほどのなじみぶりです。

ハロルド・アズカ選手
「箸渡しじゃないでしょ?日本の 文化は箸と箸はダメでしょ」
同級生
「ダメダメダメ」
ハロルド・アズカ選手
「でもこれ箸じゃない、つまようじでしょ、だから大丈夫。多分」

授業も熱心に。慣れない漢字に苦戦しつつも、真剣な表情で取り組みます。

ハロルド・アズカ選手
「日本語、話すのはうまいです。書くのは…がんばります」

また時には、クラス全体でおどけるほどのユーモアも見せるアズカ選手。

クラスメイト
「ムードメーカーですね。笑いも取れるしお茶目なんで、かわいいところもある」

明るい笑顔とユニークさで大人気です。そんなアズカ選手が日本にやってきたのは2年前。

ハロルド・アズカ選手
「夢はNBA選手になって、普通の選手でなくめっちゃ上手い選手になること。NBAに入りやすい場所がほしかった」

日本に来る前、ナイジェリアで知り合いに勧められてバスケを始めたというアズカ選手。選手として成長するなか、有望な選手を探していた鳥取城北に誘われて日本にやってきました。

ハロルド・アズカ選手
「生活は楽しいです。バスケはきついけど、アズカの夢のためだから」

バスケットボール部の部員は30人。その中でアズカ選手は、自分のスタイルを模索しています。持ち味の1つは、「ウイングスパン」、腕を左右に広げたリーチの長さを活かしたディフェンス。さらにボールを操る手の広さも強みです。
ハロルド選手は、どんなポジションでも対応できるようになりたいと言います。

鳥取城北高校・2年生 豊村豪仁
「アズカは外回りもできてシュートもできて本当に頼りがいのある人です」

河上貴博 ヘッドコーチ
「どっしり構えるだけじゃプロの世界で上手くいかないというのは分かっているので、攻撃も180~185くらいのフォワードの選手と同じ質のパスやシュート、ディフェンスをやっていかないといけない」

プレー中にチームをまとめる「ゲームキャプテン」を務めるアズカ選手。留学生という括りにとらわれず、幅広く経験を積みたいアズカ選手にとってここは良い場所だといいます。これからの夢を聞くとー。

ハロルド・アズカ選手
「NBA選手はめちゃくちゃお金持ちです!だから家族に新しい家とか、いっぱいおいしいものとか返したい。アズカだけじゃなく家族が一番大事。だからここでアズカは上手くなります」

ひたむきに練習を重ねて、技術を磨くハロルド・アズカ選手。鳥取から世界へと羽ばたくため、高校バスケ最後の1年間が始まっています。

最終更新日:2025年1月17日 17:29