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「なにか出雲でできることをしようと」 能登半島地震を経験した出雲市在住の男性 3日間限定で石川県・能登半島のアンテナショップをオープン 島根県出雲市

2024年2月16日 19:03
「なにか出雲でできることをしようと」 能登半島地震を経験した出雲市在住の男性 3日間限定で石川県・能登半島のアンテナショップをオープン 島根県出雲市

能登半島地震を経験した島根県出雲市の男性。

遠く離れた出雲から何か支援できないかと2月16日ある店をオープンしました。2月16日から3日間限定で出雲大社前にオープンしたアンテナショップ。販売しているのは石川県珠洲市の塩や石川県輪島市の海藻など。実はこちら石川県・能登半島のアンテナショップです。ショップの企画、運営を行うのは糸賀太郎さん32歳。

糸賀太郎さん
「能登半島自体がいつ観光客が戻ってくるかわからない状態で、時間がたってしまうと不要在庫になってしまうものを持ち帰ってこちらで販売しようと」

糸賀さんは普段、島根県出雲市大社町の神門通りで、観光用の人力車を運行しています。しかし、冬場は人力車の利用が減ることから冬の期間だけ県外で宿泊業の手伝いを行っています。

去年12月中旬、糸賀さんが向かったのは石川県珠洲市の海岸に面した旅館「ランプの宿」。知り合いが経営していたことからこの宿に滞在し、売店の接客や食事の配膳を2月末まで手伝う予定でした。

しかし、1月1日。旅館の仕事が休みだった糸賀さんは、外出をしていました。夕方4時過ぎ、石川県珠洲市のとなり石川県能登町から旅館に戻る道中、地震に襲われました。

糸賀太郎さん
「いまだかつてない、体験したことのない揺れで印象的にはすごく横揺れをするような感じ」

糸賀さんや旅館の関係者は無事でしたが、建物は被災。瓦が落ちたり、窓ガラスが割れたりして営業ができない状態となり、やむなく島根に戻ることに。

糸賀太郎さん
「5日に金沢をたって出雲に戻ってきた時も後ろ髪惹かれる思いがあった。やっぱり出雲に戻ってきた瞬間からなにか出雲でできることをしようと」

遠く離れた出雲からなにか支援ができないかと考えた結果、糸賀さんが拠点にしている神門通りでアンテナショップを開くことにしたのです。利益はお世話になったランプの宿に寄付する予定です。糸賀さんの考えに賛同した島根県出雲市大社町の他の店もレジなどの備品や店舗のスペースを3日間無料で貸し出しすなど協力しています。

沖野上ブルーカカオ 福島祐樹店長
「うちは備品の貸し出し、そのぐらいしかさせてもらってないですけど微力ながらさせてもらおうと思って」

みちくさ 兵庫宏信オーナー
「むこうも観光地こちらも観光地ということで何とか協力したいなと思って店舗を貸して何とかみんなで売ろうという気になった」

ショップに並ぶ商品はすべて糸賀さん自らが2月2日にランプの宿まで足を運び、持ち帰りました。石川県能登町で被災した糸賀さん。震災後の旅館の様子を見たのはこの時が初めてでした。

糸賀太郎さん
「宿の近く石川県珠洲市内の特にひどいところは何百メートルにもわたって道に全壊の家屋が並んでいて、この間の道を車で抜けていったんですけど、ちょっと揺れとかあったらまた倒れてくるんじゃないかって一か月たってもちょっと怖いなって感じる道もありました」

被災地の状況は予想を上回るもの。

糸賀太郎さん
「街並みをみて、よりこのチャリティーショップを成功させたいという思いが強くなりました」

ランプの宿に残っていた土産品の3分の2ほどを引き取り約1400点が並んだアンテナショップ。

オープン初日の2月16日。続々と客が訪れ、大量に購入していく人も。


「むこうの塩を使ったポテトチップスとか。買って支援するっていう形だったらできるなと」

「できることは個人では限られるのでこういう機会があれば協力していこうかなと思って」

「こうして応援される方にぜひ協力したいなと思ってます」

お世話になった人たちに少しでも恩返しを。今回出雲大社前にオープンした能登半島アンテナショップは2月18日まで営業予定ですが商品がなくなり次第終了するということです。

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