難航する計画に新たな局面 米子市淀江町の最終処分場設置 設置許可を鳥取県に申請
難航する建設計画が新たな局面を迎えました。
鳥取県環境管理事業センター 岡本康宏 理事長
「淀江産業廃棄物管理型最終処分場の設置許可申請書を提出いたします。どうぞよろしくお願いいたします」
5月31日、鳥取県環境管理事業センターから鳥取県の担当者に申請書が手渡されました。廃棄物処理法に基づき、鳥取県米子市淀江町に最終処分場の設置許可を求める申請で、鳥取県はこれを受け、環境への影響を独自に評価する専門家会議を設置して審査することにしています。
鳥取県地域社会振興部 盛田聖一 部長
「環境への影響、そういうふうなものに対しまして専門家会議なるものを立ち上げさせてもらって、しっかりと審査させてもらいたい」
鳥取県内には産業廃棄物の最終処分場がない状況が長く続いていて、第3セクターの鳥取県環境管理事業センターが1994年に設立され、最終処分場の建設を目指し候補地の選定などを進めてきました。これまでセンターは旧青谷町など4か所に処分場の建設を申し入れていましたが、いずれも交渉は難航し計画を断念。
そこで2008年、災害からの影響が少ないなどの点から淀江町小波地区を候補地とする計画を打ち出し2015年の稼働を目指していました。しかし、住民からの反対の声は止むことはなく。環境汚染の恐れから住民グループによる白紙撤回の要請も。さらに市長の説明責任を問う声や地下水調査に対する抗議デモまで。
2020年には、初めて専門家による地下水の調査が行われました。調査の結果、「建設予定地の地下水が生活用水の水源に流れ込む可能性は極めて低い」と報告されました。
こうした中、31日、設置許可の申請が出され最終処分場の建設を巡る問題は新たな局面へと移りました。
鳥取県環境管理事業センター 岡本康宏 理事長
「対策的なところと、住民のご理解は整った。許可申請という次のステージに入るが引き続き住民の皆様には問い合わせ・ご意見について真摯に丁寧に対応していきたい」
鳥取県地域社会振興部 盛田聖一 部長
「技術的な適合・周辺環境への影響を審査していくわけですが、第一は安全な施設であることそれが一番だと思います」
申請に対する処理期間は4か月となっていて、鳥取県はこれから設置許可の審査を進めることになります。