「プロ22年間を支えたのは、この場所で育った『基礎』ができたこと」 元プロ野球選手・和田毅さんが母校のある島根県浜田市を訪問 野球部の後輩や当時の監督などと交流

島根県出雲市出身で去年現役を引退した福岡ソフトバンクホークスの和田毅さん。3月8日、母校のある島根県浜田市を訪れ野球部の後輩そして先輩と交流しました。
母校の浜田高校野球部を訪れたのは、島根県出雲市出身の元プロ野球選手・和田毅さん。
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和田毅さん(2024年11月引退会見)
「振り返っても悔いのないといいますか、やり残したことのない野球人生だと自分では思ってます」
去年11月に現役引退を発表した和田さん。出雲三中から浜田高校に進学し、2年生のときにエースとして夏の甲子園に出場。さらに、3年生の夏の県大会でもー。
県決勝実況
「エースの和田、三振、浜田高校2年連続9度目の夏の甲子園出場!」
夏の甲子園では、チームをベスト8に導く活躍を見せました。高校卒業後は早稲田大学に進学。すると、江川卓さんが奪った443の三振数を大きく上回る476の三振を奪い、東京六大学野球の最多奪三振記録を樹立。いまもその記録は破られていません。
プロになると1年目で先発ローテーション入り。プロ2試合目で初勝利をあげると、1年目から14勝をあげ新人王を獲得しました。その後もメジャーリーグへの挑戦など、常に高みを目指した和田さんは、41歳にして日米通算150勝を達成。試合後に口にしたのは、周囲への感謝でした。
和田毅さん
「1年目から我慢強く使ってくださった王会長をはじめ、たくさんの監督、コーチのおかげでここまでの数字を積み上げることができましたし、 本当にうれしく思っています」
22年間の現役生活であげた勝ち星は、実に165。2度、最多勝に輝くなど多くの功績を残しました。
その和田さんが3月10日訪れたのが、母校・浜田高校の野球部です。自身の高校時代を振り返りアドバイスを送りました。
和田毅さん
「高校3年間でもっとしっかり食べておけばよかったなと。今でもそれを後悔しています。もっとプロに入ってからのようにしっかり食事をとっていれば、もっと体大きくなれたかな、もっとスピードが出せたかなと か、色々と考えることがすごくあります」
そして、後輩たちに向けー。
和田毅さん
「甲子園で戦えるのは本当に素晴らしいことだし、(甲子園に) 行ってみないと分からない部分がすごくある。ぜひこのメンバーで甲子園に行って、そして一生の思い出を皆で作って、 また各々の道を進んでほしい」
激励を受けた選手たちはー。
2年 湯浅大吾 主将
「実際に会ってみて、こういう人になりたいなって(思いました)。絶対に甲子園に行って全国で勝つのを目標にやっていきます」
2年エース 山田玲 投手
「秋の大会も体力不足の面が見られたので、走り込みだったり、ご飯をよく食べたりすることがいいと思いました。最終的にはプロ野球選手になって、和田さんを超えられるような選手になりたいです」
和田毅さん
「こういう形で直接お話しする機会をもらえることができて、本当にうれしかったです。今の子たちは僕らの時より体が大きいなと思いましたし、絶対に僕らの時より体の持っている可能性は大きいと思いますので、 頑張ってほしいなと思います」
そして、夜には浜田市で浜田高校硬式野球部後援会による引退記念パーティーが開かれました。
和田毅さん
「いま自分がここに立てているのも、この浜田高校で培った力であり、技であり、プロ22年間を支えたのは、この場所で育った『基礎』ができたことと今でも信じています」
パーティーには、和田さんを労おうと関係者含め約250人が参加。写真撮影や和田さんのサイン入りグッズが当たる抽選会が行われるなど、和やかなパーティーとなりました。抽選会では、こんなサプライズもー。
和田毅さん
「ちょうどいま届いたみたいなんで。自分の私物なんですけど」
なんと現役時代に使用していた帽子やユニフォームをプレゼント。そして、当時の監督との対談ではー。
当時の監督 新田均さん
「こんな大投手になるなんて、夢にも思いませんでした。コントロールが悪いんですよ。ですが、ノースリーからでも三振をとる。とにかく(ボールを)置きに行くことが嫌い。投手としての精神的な資質があったと驚かされました」
和田毅さん
「ことあるごとに走らされていたなという記憶がすごくあります。極めつけは監督が怒ってずっと走っとけと言われて、1時間半~2時間ぐらいずっと声を出しながら走って、途中で監督がいなくなり、戻ってくるのかなとみんなと話しながら走った記憶があります。いまとなってはすごくいい思い出ですし、そこで仲間との結束も生まれました。でもランニングというのは、とても僕にとっては大事でした し、高校の3年間で走ったことが、大学で活きました」
和田さんも負けじと冗談交じりで返すなど、会場は盛り上がりました。そして、将来についてはー。
和田毅さん
「いろんな方から“監督”とおっしゃっていただいているが、今は全くそういうのを考えていないというか、ゆっくりするわけではないですけど」
まずは目の前のことに取り組み、野球界に貢献できるよう、勉強などに力を入れたいと話していました。引退を発表してから早4か月。気さくで、みんなから愛され、尊敬される和田さん。今後どんな活躍を見せるのかも注目ですが、この日は、最後まで周りを楽しませていました。
和田毅さん
「全然関係ないんですけど、3月15日に引退試合がありますので、来られる方はぜひ来てください。きょうはありがとうございました」