認知度の低さから利用伸びず 乗り合い交通「とりモビ」が再び実証実験 車両にラッピングを施すなどの工夫 鳥取県鳥取市
街のにぎわいにつながる新たな公共交通のあり方を模索します。鳥取市で、乗り合い交通の実証実験が再開されるのを前に5月16日、使用する車両が公開されました。
5月16日、鳥取市役所で公開されたのは、AIを活用して運行する乗り合い交通「とりモビ」の車両です。このサービスの2回目の実証実験が20日から鳥取駅南側のエリアで始まります。
運行エリア内には、約200か所の乗降ポイントが設置されていて、スマホのアプリなどでこのポイントに「とりモビ」を呼び、乗車する仕組みです。AIが最適な運行ルートを設定するシステムを取り入れていて、ドライバーは端末に表示されたAIの指示に従い、効率良く各ポイントを回ることができます。
利用料金は1か月5000円。契約期間中は何度でも乗車することができます。乗車のたびに1回400円を支払うこともできるほか、回数券も販売しています。
去年10月から今年2月にかけて10人乗りのワンボックスカーを使った試験運行では、延べ4200人余りが乗車しましたが、認知度の低さなどから利用者数は思うように伸びませんでした。一方で、利用していた市民からは存続を望む声が多く寄せられていたということです。
今回は、車両が目立つようラッピングを行いPR効果の向上を図ったほか、高齢者などが乗り降りしやすいよう、電動式の乗降ステップを取り付けています。また、道順を決めるAIの設定も調整し運送効率を高めることで、複数の利用者が同時に乗車する「相乗り」の割合を増やす工夫も行いました。今後、地域の店舗やイベントとも連携し、毎月1100人の利用を目指す考えです。
運行担当のサービスタクシー 松浦秀一郎 社長
「(とりモビは)ただの乗り物ではなく地域の価値、魅力を高めるものでもあります。交通手段というのは、ハブとして皆さんを地域の魅力ごとにつなぐような役割を果たしています」
地域の交通課題の解決だけでなく、街のにぎわいづくりにもつなげたいと、関係者も期待をかけています。今回の実証実験は、来年3月まで行われる予定です。