【解説】アルコールチェックの義務化スタート 酒を飲んでないのに反応する場合も チェック時の注意点とは?
アルコール検知器を使った確認の義務化について掘り下げていきます。厳密な規定はありますが、仕事中に車を運転する人は、ほぼ全員機器を使ったチェックが義務となります。
まずは、これまでの経緯を見ていきましょう。
■アルコールチェック義務化の経緯は?
アルコールチェックの流れをさかのぼると、10年以上前。2011年5月にいわゆる「緑ナンバー」、運送業や旅客運送業の事業者にアルコール検知器の使用が義務化されました。
その後変化のきっかけとなったのが2021年6月、自家用車などと同じ「白ナンバー」のトラックが飲酒運転で事故を起こしました。5人の児童が死傷しています。これを受けて2022年4月、「白ナンバー」の自動車を保有する事業者も、目視確認とその記録を1年保存することが義務になりました。
この半年後にアルコール検知器を使った確認を義務化する予定でしたが、世界的な半導体不足によって検知器が足りず、12月1日まで延期になったということなんです。
■飲酒をしていないのに反応することも・・・
検査する時の注意としてはお酒を飲んでいないのに、反応してしまうこともあります。
・直前の飲食物(キムチ、みそなどの発酵食品、エナジードリンクなど)
・直前の喫煙
・口腔ケア商品の使用(歯磨き粉やマウスウォッシュに微量のアルコールを含む製品がある)
まれな例ではありますが、バスの運転手が仕事の直前に蒸しパンを食べて、「酒気帯び」と判定されてしまい処分を受けたこともありました。食用のアルコールが検知器に反応した可能性が高いということです。
製造メーカーは、「測定の15分前からは飲食しないこと」「直前に飲食した場合は水でうがいをすること」を呼びかけています。
アルコールチェックは手間が増えて煩わしいという人もいるかもしれませんが、こうした義務化で悲惨な事故を1つでも減らせるならと思います。