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国の重要文化財・仁風閣「令和の大修繕」 建築から120年 老朽化が進み大規模な修繕工事が始まる 鳥取県鳥取市

2025年2月19日 17:37
国の重要文化財・仁風閣「令和の大修繕」 建築から120年 老朽化が進み大規模な修繕工事が始まる 鳥取県鳥取市

建築から約120年がたち老朽化が進む鳥取市にある重要指定文化財・仁風閣。貴重な明治期の洋風建築物を未来へつなぐため、大規模な修繕工事が始まります。

明治40年、1907年に建てられた仁風閣。貴重な明治期の洋風建築物で、鳥取の“近代化”を象徴する文化財です。1960年代、当時は「鳥取県立科学博物館」として、さまざまな展示品が並び、多くの市民でにぎわっていました。そして1973年、仁風閣は国の重要文化財へ指定され、建築当時の姿を取り戻すため大規模な修繕工事が行われることになります。

1943年の鳥取地震で倒れたレンガ煙突はこの時まだ復元されておらず、現在とは違う趣でした。3年にわたる工事を終えた仁風閣。レンガ煙突の復元をはじめ建築当時の面影を今に伝える姿となり、新たな時代を迎えました。それから50年余り。かつて修復された建物は再び老朽化が進み、多くの損傷が見つかっています。

仁風閣 坂根達哉 館長
「雨漏りが影響した部屋になりまして、床の中央がご覧の通り随分下がってきている所です。外の雨とかもですね、入って来てしまっている形になります」

その中でも、特に深刻なのが雨漏り。館内の天井や壁紙には、雨水による染みが広がり劣化を物語っています。外壁の塗装は剥がれ、木材の一部は崩れるなど長年の雨、風に耐えてきた影響が各所に現れています。今回の工事の中心となるのが屋根や煙突の修理。天井裏には、50年前の工事の痕跡がいまもしっかりと残っていました。

仁風閣 坂根達哉 館長
「昭和50年に煙突が復元をされてこのような状態なんですが、かなり雨漏りもひどくてですね、劣化が激しいがために煙突のこの上の部分はこのたび解体をして組みなおし、新しく復元をすることになっています」

煙突を補強する鉄骨は、当時としては優れた技術でしたが、年月とともに錆が広がりボロボロに。今回の修繕では、雨漏りへの対策とともに最新の技術を使った補強工事で仁風閣を後世に残すことを目指します。工事現場には立ち入りを防ぐフェンスが立てられ、いよいよ本格的な工事が始まります。

仁風閣が新たな姿を見せるのは、2029年ごろです。

最終更新日:2025年2月19日 18:45