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山陰地方の各地で記録的な大雨 道路の崩落や冠水…農作物にも影響が 島根県・鳥取県 

2024年7月10日 19:34
山陰地方の各地で記録的な大雨 道路の崩落や冠水…農作物にも影響が 島根県・鳥取県 

大きく穴が開いたように陥没した道路。すぐそばでは今にも落ちそうなタクシーが置き去りとなっていました。

7月9日から梅雨前線の活動が活発となり、局地的に大雨が降っている山陰地方。中でも島根県出雲市では、10日午前10時半までの24時間降水量は211.5ミリと7月の観測史上最大となる記録的な大雨に見舞われました。この雨の影響でー。

小田原安理 記者
「日御碕方面に続くこちらの県道ですが、道路が崩落したためこれより先は全面通行止めとなっています」

道路の崩壊が確認されたのは出雲市の出雲大社から日御碕地区へと続く県道29号。主要道路が通行止めとなり、う回路も山道のため車が通れるか確認できていません。そのため出雲市によると午後5時現在で235世帯、約550人が住む日御碕地区が孤立状態となっています。

地区の住民
「現状として道路がなくなっているので(通行止めが)長期化するだろうなと。とても不安」

日御碕地区に家族5人で住む安田さん。中学生から2歳の子どもと暮らしているため、孤立が長引けば子どものストレスや食料不足など不安は募ります。

安田さん
「うちでは買いだめしましたが、長期化するとこのままでは危ない」

また旅館や民宿も建ち並ぶ日御碕地区。観光業にも大きな影響が出ているといいます。

民宿たかはし 高橋英明さん
「現在、人通りがまったくなく車の往来もない。静かです。お勤めの方も朝出られないのでずっと静かです」

民宿を経営する高橋さんによると、今後数日の予約はすべてキャンセル。お客さんを受け入れる状況ではないといいます。

民宿たかはし 高橋英明さん
「予約はすべてお断りしなければいけないでしょうね。復旧の見通しがいつたつか。それまでは全く動きがとれない」

現在も全面通行止めになっていて、復旧のめどはたっていませんが、支援物資の供給は始まっているということです。日御碕地区のとなり、宇龍地区から自主避難をしたという男性はー。

自主避難した男性
「宇龍地区に一人で住んでいます。こういう設備があるのでお世話になろうかと」

一方、9日、広い範囲で街が冠水した島根県松江市。一夜明け、市内にあるパンとお菓子の工房を併設した住宅を訪ねるとー。

高井和代 記者
「きのうからの雨によって納屋の奥まで浸水しています。 今のところ水が引く様子はありません」

敷地内は水につかり、立ち入り禁止のコーンが立っていました。10日の夕方から建物のそばを流れる用水路から水が納屋へ流れ込んだといいます。

久保田仁美さん
「店を営業しているので、機械が壊れないように水が入らないように祈るしかなかった」

それでも10日は予約していたパンを受け取りに来たお客さんの姿も。


「きょうパンはやってないだろうと思って来ました。顔見たらやってるっていうから安心して買いました」

しかし、10日夜からも雨が強まる予想の松江市。まだ水が引いていない中での雨にさらなる被害が心配されます。


そして、いま収穫の最盛期を迎える農産物にも影響が。鳥取県境港市のネギ畑で生産者を困らせていたのはー。

ネギ生産農家 益田佳幸さん
「畝がこんな形になっていないといけないが、全部土が流れて根がむき出しになっています」

9日の大雨によって畝が流され、ネギの根がむき出しに。地表に出た根は数日で傷み、ネギの生育が悪くなるため再び機械で土を盛り上げる必要があります。

ネギ生産農家 益田佳幸さん
「排水能力を超える雨量だった。今後ネギにとってどれだけの影響を及ぼすのか懸念材料」

10日夜から再び大雨となる予想となっている山陰地方。今後の気象情報に注意が必要です。