【特集】大雨ですべて流されたスケートパークで復興イベント 板柳町
自転車のモトクロスBMXやスケートボードが楽しめる板柳町のスケートパークはおととしの大雨で冠水し、ほとんどの設備が流されました。そのスケートパークであさって復興イベントが開催されます。立ち上がったのは弘前市でバンド教室をしている男性と地元のスケーターでした。
スケートボードや自転車競技のBMXが楽しめる板柳町岩木川河川公園のスケートパーク。イベント開催の看板を設置しているのは弘前市でバンド教室を主宰している澤田政也さんと弘前市でスケートボードショップを営む福士孝太さんです。あさってこのスケートパークで子どもたちによるバンド演奏とスケートボードを組み合わせた水害からの復興イベントを開催します。
★澤田さん
「2年前の水害で板柳町と弘前市の農家さんや一般の方々の住宅が冠水しまして、それを元気づけたいと思ってこのフェスをやろうと思っています」
岩木川の河川敷にあるこのスケートパークはおととし8月の大雨で冠水し被害を受けました。
★福士さん
「奥の方にある川が増水しまして裏手にあるバスケットゴールのここくらいまで増水して川のほうがこちらのスケートボードで使われるセクションというものがすべて流されてしまったという状況です」
福士さんはそこから1か月仲間たちと協力して泥をかき出しました。
★福士さん
「どうしても災害というところでそのまま仕方ないと終わるのは今後のスケートボーダーたちのモチベーションとか影響してくるのでやっぱり作らないとだめだなと」
県内でBMXやスケートボードが楽しめる施設はごくわずか。何とか再建したいと手作業で設備を作り直しました。今回イベントを企画した澤田さんは弘前市の新和公民館で子どもたちのためにバンド教室を無料で開いています。6年前に子どもたちの居場所づくりのために始めた教室ですが、現在は65人もの子どもたちが澤田さんを慕ってやってきます。
★澤田さん
「ここに来てみんな遊んだりその中にはできたら面白いなと思う子もいてそういう子が伸びていくんですけどでも楽器出来ない子がだめとかではなくてできなくてもいいんです ここに来てみんなで楽しむことが一番大事だと思ってたのでそう思ってやっていました」
★バンド教室に通う子どもは
「(澤田さんは)熱い人」
そんな澤田さんも2年前大雨被害を目の当たりにしました。
★澤田さん
「私消防団に入っていたんですけど 本当にこれから収穫するというりんごも全部泥、木も完全に泥がついてしまって」
そして偶然この場所を復活させようと汗を流す福士さんたちに出会ったのです。
★澤田さん
「落ち着いてからここに散歩がてら来たんですけどそのときにスケーターの1人が竹ぼうきとワイパー持ってこうやって掃除しているんです 何やってるんだろうなと思って話ししにいったらスケーターの人で何でこういうことしてるのって聞いたらまたスケーターの人たちがここさ戻って来られるように掃除しています」
スケートボードにはゆかりがなかったという澤田さんですが福士さんたちの懸命な姿に心を打たれました。
★澤田さん
「そのときに同じ居場所を作る人たち自分たちだけではなくてほかにもいるんだなと思ってそれでスケーターさんと一緒にフェスやりたいなと思いました」
復興イベントは澤田さんが所属する「ItaniityProject」が主催するもので弘前市の公募型の補助金制度事業に採択されました。当日はスケートボードや楽器の体験ブースのほか飲食店なども出店する予定で2人は地元を盛り上げるきっかけにしたいと意気込んでいます。
★福士さん
「スケートボードの魅力は達成感 年齢性別関係なく仲良く一緒に楽しめるスポーツというところですのでぜひみなさんでやっていければ当日スケートボードとバンドの体験ブースもありますので興味ある方はお気軽にトライしてもらえればと思います」
イベントで演奏を披露するバンド教室の子どもたちは。
★バンド教室に通う子どもは
「まだ弾き間違えがあったりするので本番ではそういうことがないように本番前もちゃんと練習して頑張りたいです」
★澤田さん
「被害にあったのは弘前市だけではなくて板柳も同じ気持ちなんです 弘前と板柳のお互いをつないでいる橋が幡龍橋なので幡龍大作戦の名前にしました イベントを通して水害を忘れないでいてほしいという象徴的なイベントにはなって欲しいと思います」
幡龍大作戦、大雨に負けず地元を盛り上げたいという願いを込めて2人は冠水したスケートパークから新たな橋をかけます。