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子ども発案の“アイデアみそ汁”が給食に!はだか麦生産量日本一の町で 親子で「食育」楽しむ取り組みとは

2023年11月8日 18:28
子ども発案の“アイデアみそ汁”が給食に!はだか麦生産量日本一の町で 親子で「食育」楽しむ取り組みとは
愛媛県西条市の子どもたちが取り組む“チャレンジ The みそしる”

愛媛県西条市の子どもたちが取り組む、体を元気にするプロジェクトを取材しました。

手際よく切られていく色とりどりの野菜に…揚げたてのからあげがたっぷり!

ここは、西条市立西条小学校。子どもたちの給食づくりの真っ最中です。この日の給食には、今回の主役となる、あるメニューが提供されることになっています。

それが…

男子児童:
「おいしいです。オクラのねばねばとか」
女子児童:
「旬を感じるものがあったから、おいしかった」
女子児童:
「普通のお味噌汁はお味噌と野菜の味だけだけど、この味噌汁はナスとかもゴロッと入っていておいしい」

日本人の食事の基本に立ち返ろう “おかずになるみそ汁”を考える子どもたち

そう、“味噌汁”です。なぜ味噌汁が特別なメニューかというと…

西条小 武方美由紀栄養教諭:
「ご飯と味噌汁という日本人の食事の基本に立ち返ろうではないかということで、栄養教員部として“チャレンジ The みそしる”に 取り組んでいます。バランスのよい朝食を食べてしっかりと勉強や運動できるような健康的な体を作ってもらいたいというのが大きな目的の一つです」

“チャレンジ The みそしる”は、夏休みの課題の一環で、子どもたちが自ら“おかずになるみそ汁”を考えるプロジェクト!地元で採れた旬の食材などを取り入れることもポイントです。

今では、市内35の小中学校に広がっているこのプロジェクト。きっかけとなったのは“味噌づくり”でした。

授業でも味噌づくり!自ら作ることで苦手を克服する児童も

武方さん:
「今年5年生が仕込んだ味噌になります。これは西条産の大豆、それから西条産のお米、西条産のはだか麦ということでオール西条産ということで仕込んだ味噌になります」

味噌の原料の一つ、はだか麦の生産量が36年連続日本一の愛媛県。中でも西条市の生産量が最も多くなっています。西条小学校では毎年、5年生が授業で味噌を作っていて、給食にこの味噌を使うことも。

この日の給食に採用された味噌汁を考えたのは、3年生の岡本朔汰くん。

岡本くん:
「給食に出ると聞いたときはちょっと驚きました。自分が作ったものがみんなによろこんで、おいしいと言ってもらえるところが嬉しいです。僕はオクラが好きなのでオクラをたくさん盛り付けて、栄養満点の味噌汁にしました」

子どもたちの反応も上々!中には、おかわりをする児童の姿も。

女子児童:
「初めの頃はお味噌汁の味噌の味がちょっと苦手やって ちょっと濃くて、けどお味噌汁を作って食べたら自分のやけんかわからんけど、おいしく感じてそれから食べれるようになった」

「チャレンジ The みそ汁」プロジェクト、“作って終わり”ではありません。

集まっていたのは西条市内の栄養教諭たち。各学校から1品ずつ「味噌汁」代表を選び、カレンダーを作るといいます。

栄養教諭:
「地産地消の食材を使っているのと、あと色どりとがんばったところとか書けてたら選んでいます。味噌汁なんで食物繊維とか、夏の課題にしてたので夏バテの防止のためにビタミンB1とかちょっと自分で考えて書けていたら」

来年度のカレンダーには35の個性豊かなアレンジ味噌汁が選ばれました。見てみると…西条産の焼きのりや摘果したミカンを入れたものや、玉ねぎをドーンと丸ごと1個入れたものまで!子どもたちの自由な発想が詰め込まれています。

武方さん:
「味噌汁の良さはご飯と味噌汁だけでバランスをとることができる。ほかにおかずを作らなくてもいいというところがベストだと思います。毎朝ごはんと味噌汁だけでいいですという風に言われると取り組みやすいし、一歩踏み出しやすいのかなと思います」

親子で「食」について考え、台所に向かうように

この取り組みで家庭にも変化が。自宅の台所に向かう岡本朔汰くんと、母・恵さんです。

母・恵さん:
「食べるだけではなくてどうやったらこういう味ができるのとか、今度はこういうのを入れてほしいなとかちょっとやってみたいなというのが、味噌汁だけではなくて色んなことを手伝ってくれるように。調理する方にもすごく興味がでてきましたね」

このプロジェクトを通して朔太くん、率先してお手伝いをするようになったといいます。

岡本くん:
「切ることが楽しい」
Q.味噌汁の作り方はばっちり?
「うん、だいたいわかった」
母・恵さん:
「毎回ちがうね食材」

“四季を感じてもらいたい”と一緒に産直市へ行き、旬のものを目で見て学ぶことも。

母・恵さん:
「きょうは秋のものをたくさんいれようかと思います」

今ではすっかりみそ汁が得意料理になった朔汰くん。今後もいろんな料理に挑戦したいと意気込みます。

母・恵さん:
「正直、最初はここまでおみそ汁をきっかけに次のステップに進むなんて思わなかったんですけど、これをきっかけに子どもにも食に対して考えるという変化も出ましたし、来年はじゃあ何作ろうかと意欲も出て来たり、食材見てても“これお味噌汁に入れてみようかな”というのが私の中でも芽生えたので、本当に親子ともども楽しい取り組みになりましたね」

一日のスタートにチャレンジ The みそ汁!身体も心も元気になれる一品。そこがミソなんです!