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国内CO2排出量の2%を削れ!三浦工業が「水素ボイラ」で挑む夢の巨大プロジェクト

2025年3月6日 8:00
国内CO2排出量の2%を削れ!三浦工業が「水素ボイラ」で挑む夢の巨大プロジェクト

愛媛を襲う異常気象。災害を引き起こす記録的な大雨。毎年、命の危険をもたらす猛暑。私たちの地球は今、分岐点に立っています。

この「地球沸騰時代」に挑むのは、愛媛創業のボイラメーカー。目を付けたのは、無駄に捨てられている「熱」です。

そして、未来を切り開く新たなエネルギー。タイムリミットは2050年。愛媛から日本のCO2を減らせ!夢の巨大プロジェクトに密着です。

三浦工業の同期コンビは「熱ソムリエ」

松山市の産業用ボイラメーカー三浦工業です。1959年に三浦保氏が松山の地で創業。工場やビル、マンションなどあらゆる分野で“熱”が必要とされているところに目を付け、石炭や石油を燃やし、蒸気や温水を作り出すボイラを生産。日本の高度経済成長と重なるかのように、事業を拡大してきました。

現在は欧米、アジア各国にグループを展開する大企業に成長し、従業員数は国内外で6000人以上を数えます。

三浦工業・福岡支店に勤務する四国中央市出身の営業担当、篠原将也さんと。

佐賀県出身のプラントエンジニア、西原将智さんです。

篠原さん:
「同期です。年齢はあっちの方が上ですけど。すみません。生意気言いました」

“営業部隊”の拠点・福岡支店。

しかし、この同期コンビの役割は単に機械を売ることだけではありません。

彼らの別名は「熱ソムリエ」。篠原さんら営業担当と西原さんらエンジニアがタッグを組んで顧客の工場を訪問。そこでの熱や電気の使われ方を徹底的に診断した上で、より環境に配慮した効率の良い機器を「売る」というより、「提案」するのです。

西原さん:
「捨てられている廃熱が考えられるので、そこも分析してご提案できるものがあればと考えている」

この日、2人が訪れたのは、長崎県の食肉加工業・丸協食産。

篠原さん:
「工場がこちら本社工場とこっち第2工場で、こっち第3工場という形で、どんどん大きく広げられている」

生産量は1日15トン、モツなどの内臓肉では国内有数の規模です。

丸協食産 加藤省吾さん:
「加熱をしてそのあとは速やかに冷却をしないと、微生物の菌を冷却して低くしないといけないので」

食肉加工において水の温度は生命線。

篠原さん:
「もともと氷をいっぱい入れて氷水作ってモツを洗浄とかいろいろされてたんですけど、夏場、氷の量がすごいことになるというので、何とかならない?というのでチラー(水冷却)設備増強しましょうかと」

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