昭和から受け継ぐ“究極”へのこだわり!全国からファンが訪れる「そばの名店」23秒の極意
懐かしいあの時代へ皆さんをお連れします。夕方、ときどき開店する「昭和食堂」です。
今年もやってくる暑~い毎日。涼しい味を求めて一路、東へ。愛媛県新居浜市民文化センターの目の前に立つ「萩の茶屋」。人気なのは…冷たいおそば!!
客:
「よく来ます。おそばが美味しいのが一番。いろいろ食べ比べは(してる)元々そばが好きやからね。今のところ一番です」
「一番」の味を産み出すご主人は、そばの本場、信州で修行した職人です。
井原和武さん:
「創業は昭和51年です。今年で48年ぐらいになります。初代が親父で僕は2代目になります。」
昭和51年は現在も、日本のシングル盤売り上げ1位の記録を持つ「およげ!たいやきくん」が大ヒットした年。売り上げ総数はなんと457万枚だそう!
愛媛では松山環状線国道33号バイパスの一部が開通しました。
その年に生まれた萩の茶屋、先代の頃から“売り”はそばでした。
(2012年撮影)
初代 井原明宣さん:
「そばはまさに日本料理の究極の味」
萩の茶屋のそばも、目指すは究極。
こだわりはそば粉から。本場信州のそば粉です。
2代目井原和武さん:
「標高が1200mから1600m位の所で栽培してるんですよね。そういう高地で栽培すると朝と昼と夜の寒暖の差が激しいんです。それによってそばの旨味が強く出る。値段もぴんからきりまでで、うちのはこれ一袋(22キロ)2万5000円ぐらいします」
そしてそばつゆ。ダシは北海道・香深産の昆布と鹿児島・枕崎の鰹節からとります。
合わせる「かえし」は、つぎ足しつぎ足し50年。
井原さん:
「減っては新しく作ってそれをつぎ足し、また減ってきたら…いうのでずっとサイクルさせてます。ある程度寝かせることによって角が取れる。醤油の角も取れ、みりんの甘さ砂糖の甘さ、それをうまいこと寝かせることによっていい熟成の感じになってくる。それとダシを合わせた時に最高の味になるということですね」
最高のそば粉で打つそば、最高のそばつゆ。
そして…
井原さん:
「うちは細麺なんで茹で時間短いんですよ。気温とか湿度によって水入れが変わってくるんで、毎朝僕と釜番の職人ふたりで試食して毎日秒数決めてます。今日だったら23秒。24秒になると若干やっぱり味が抜けてコシも気持ち弱くなったり22秒だとちょっと硬さが底硬さが出たりとか。ほんとにもう一秒単位の真剣勝負で釜番茹でてますね」
真剣勝負で茹でたそば。水でさっとしめます。
日本庭園を愛でながら頂く、これが“粋”な味わい方。
暑くなるこれからの季節におすすめなのですが常連さんは…
「年中来たくなる。季節問わずですね」