「その一つの声は大切」選挙権のない外国人男性、政治や選挙への思い
投開票が迫る衆院選。地域で暮らす様々な当事者の視点から、政治や選挙について考えていきます。選挙権のない一人の外国人男性の思いです。
明治44年創業、建物は国の登録有形文化財にも指定されている、宇和島市の木屋旅館。ここ木屋旅館のゼネラルマネージャーを務めているのが、グレブ バルトロメウスさん(44歳)です。
グレブさん:
「歴史文化、伝統がある町です。それもみなさんに伝えないといけないと思います」
ポーランド生まれでドイツ国籍のグレブさんは、2012年に宇和島に移り住み木屋旅館で働いていますが、日本の選挙権はありません。
グレブさん:
「選挙権が無い。外国人としてこの国のゲスト(という存在)ですよね。選挙権が無いから、自分の声は政治家まで届かないような気持ちがあります。しかしこれからは、日本でも、海外からの(移住者)も増えてくると思います。そうすると、選挙権無くても、その人の意見、その人の夢、これから将来の困っているところも、政治家もちょっと聞いたほうがいいかもしれません」
日本では、どこか堅苦しそうで、小難しいイメージのある政治。グレブさんの母国、ドイツでは、政治は市民にとって身近な存在だといいます。
グレブさん:
「友達と夜出かける時は、みんなビール飲みながら『これについてどう思う?政治家がこういうことをしていた、この町でこういうこと、こういうプロジェクトがある、 これおかしいでしょ?』けっこう温かいというより熱いぐらい議論討論する」
日本の選挙で一票を投じることが出来るとしたら…
「特に教育は、私は一番大切だと思います。教育に力を入れると、すぐじゃないかもしれませんけれど、結果は絶対、頑張ったら出てくると思います」
その思いを、グレブさんは票にして託すことが出来ません。
選挙権を持つ日本の有権者に伝えたいことは。
グレブさん:
「こういう力(一票)を持っている。それは本当にその一つの声は大切と思います。特に若い人。自分の将来を作るために、一日のことだけじゃなくてこれから何年間も決めることですよね。だから、ぜひ参加、ちゃんと行く前に調べてほしいですよね。その政治家のこと。このチャンスを無くしたら本当にもったいないと思います」