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【2024総決算】波乱の結果にフレッシュな顔ぶれ…愛媛の「選挙イヤー」を振り返る

2024年12月16日 17:42
【2024総決算】波乱の結果にフレッシュな顔ぶれ…愛媛の「選挙イヤー」を振り返る

県内の今年1年の出来事を振り返る「愛媛総決算2024」きょうは、波乱の結果にフレッシュな顔ぶれ。“行く人、来る人”愛媛の政治・選挙編です。

今年9月。松山市に集まったのは自民党重鎮の国会議員ら9人です。

高市早苗氏:
「愛媛県民の皆様はご承知かと思いますが、私の体と心の半分は愛媛県民でございます」

石破茂氏:
「我々は日本を守るためにあらゆる施策を講じていかねばなりません」

次の“総理”を決める自民党の総裁選の演説会が行われたのです。

石破新内閣で村上誠一郎氏が総務相に

102代目の総理の座には石破茂氏が。そして旧愛媛2区選出の村上誠一郎さんが、総務大臣として20年ぶりの入閣が決まったのです。

村上総務相:
「支持者の人が、『よく先生、筋を通して頑張って(大臣に)なってくれた』と。もう涙が出てうれしかったと言ってくれた時には、私も正直言ってジーンときましたね」

衆院選で激戦が予想された愛媛2区は

しかし、そのわずか2週間後…石破総理は衆議院を解散。愛媛は新しい区割りのもと、選挙戦に突入しました。特に激戦が予想されたのは、自民党・井原巧さんと立憲民主党・白石洋一さんが立候補した愛媛2区です。

白石洋一さんの妻、啓子さん。おととし10月10日、食道がんでこの世を去りました。

白石氏:
「『せめて次の選挙までは生きたい』と」

3年前の6月に余命半年を言い渡された啓子さん。何とか命をつなぎとめようと、家族みんなで奔走したと言います。

白石氏:
「抗がん剤ってすごくしんどいみたい。僕も色々手を尽くして調べてこれがいいんじゃないかと、それも頑張って飲んだり受けたり余計しんどかったと思います」

余命宣告から4か月経過して迎えた、2021年の衆院選。娘の香さんが選挙を手伝う中、啓子さんも自分にできることを探しながら夫を支えました。

結果は接戦の末、敗退。最終的に比例復活での当選は果たしましたが、「勝って国民の声を届ける」という目標には届きませんでした。

白石氏:
「妻も手強い相手と闘っておりますけれども、2人ともども闘っていきたいと思います」

その翌年、結婚30年の節目に訪れた別れ。啓子さんは亡くなる前日、事務所のスタッフに充ててメッセージを残していました。

啓子さん:
「絶対頑張ろうね。みんなで洋一さんを永田町に送ろうね。みんなが頼りだから頑張ろうね、見守っているから」

白石氏:
「全力で私の持っているすべてを出して選挙に臨みたいと思います」

一方の井原さんは、逆風の選挙戦となりました。

井原巧氏:
「きょうは僕の同級生もたくさんジャンパー着てお出でてくれて、こんな決起大会開けることが井原巧にとっては本当にありがたい。心からお礼申し上げます。きょうはありがとうございます」

旧安倍派に所属した井原さん。派閥のパーティー券をノルマより168万円多く売り上げ、収支報告書に不記載だったとして「裏金問題」の対象となりました。

井原氏:
「(派閥側から)時間がないから頼むからと言われてそれ(修正)したら『不記載議員』ということになったので、正直言うと忸怩たる思いがありますよ」

当初から井原さんは派閥に対して168万円を受け取るよう求め続けましたが、断られたため1円も使わず保管していたと言います。

選挙期間中、率直な胸の内を明かしました。

「批判にさらされると非常に、なんというかな…人が離れていってるんじゃないかとか、去られてるんじゃないかという思いもよぎるわけですよね」

また、選挙前にはこんなことも。

「僕は時間が空くと1人で街頭演説するんですよね。運転手さんと2人で。その時に耳を抑えられたり、こう(親指を下に)されたり、中には空でしたけどペットボトル投げられたりした時がありますね。すごく傷ついたですけど」

保守王国・愛媛でも吹いた逆風

迎えた投票日。

愛媛1区当選 塩崎彰久氏:
「皆さんと一緒に前に歩ませてください」

愛媛3区当選 長谷川淳二氏:
「先頭に立って働いてまいりたいと思います」

そして、激戦が予想された愛媛2区は…

白石氏:
「妻にこの時を見せるんだという思いでこの時を迎えて本当に良かったと思っています。無茶苦茶嬉しいです」

一方、破れた井原さんは比例復活も認められず落選となりました。

井原氏:
「有権者の皆様方にはなかなかそのことも伝える、伝わることも難しくて、そういう大きな風の中に飲み込まれて戦ってきたと思っています」

また、全国的には国民民主党が大躍進。愛媛1区から立候補していた新人の石井智恵さんも比例復活し、悲願の当選となりました。

「初登院」の日。午前8時前に国会議事堂に姿を現した石井さん。議員バッジを胸に抱負を語りました。

石井智恵氏:
「責任の重さを感じながら、国会でひとつひとつ政策の実現に向けて取り組んでいきたい」

激戦の新居浜市と西条市長選 ともに新人が初当選

「平成の大合併」から20年を迎えた今年の愛媛。節目となる今年、県内各地で市長選・町長選が行われました。

特に激戦となったのは、三つ巴の西条市長選挙と新居浜市長選挙です。

西条市長選は、新人の高橋敏明さんが1387票差で現職を破り当選。

新居浜市長選は、新人の古川拓哉さんが現職が支援する候補を振り切りました。

今月3日。その古川新市長が所信表明を行いました。

古川新市長:
「現状維持は安定ではありません。いわゆる『前例がない』『時期尚早』という言葉が出たときはむしろ他市に先んじるチャンスが来た瞬間だと捉え、常に挑戦する街へ、たゆまぬ変革を行い、市民の皆様とともに新たな時代を切り開くための市政運営に邁進いたします」

選挙イヤーとなった今年。実績を訴えるも届かなかった“行く人”。新しい政治を目指して念願がかなった“来る人”。

少しでも私たちの暮らしがよくなるように。政治の責任は重みを増しています。

最終更新日:2024年12月16日 17:42