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冬の風物詩「肱川あらし」発生を80%の確率で予測できる!?“AI予報”を10月から導入【愛媛】

2023年10月23日 18:22
冬の風物詩「肱川あらし」発生を80%の確率で予測できる!?“AI予報”を10月から導入【愛媛】

高気圧に覆われ、けさは10月下旬から11月中旬並みの冷え込みとなった県内。冬の風物詩を目指してチャンネル4のスタッフが向かったのは…?

白石アナ:
「おはようございます」

肱川あらし予報会 濱田毅会長:
「おはようございます」

白石アナ:
「今日はよろしくお願いします。きょう初観測となるか…」

濱田さん:
「はははは…」

白石アナ:
「あそこが赤橋あたりですよね」

例年10月中旬になると発生する肱川あらし。

肱川あらしは、大洲盆地でできた冷気を伴う放射霧と気温と水温差によって生まれる蒸気霧が、肱川をつたって伊予灘へと流れ出る現象で、大洲市長浜の冬の風物詩となっています。

高気圧に覆われて、晴れて放射冷却が強まり、南寄りの風が吹くなどの発生条件があります。

濱田さん:
「さっきちらっと向こうに霧が向こうに流れてるのが見えたんですけど」

日の出前、空が少しずつ明るくなると…

濱田さん:
「うっすらとあるでしょう」

肱川から流れ込む冷たい風と、暖かい海面との温度差で発生する蒸気霧が見え始め、さらに川の上流には霧がかかりますが…

濱田さん:
「大洲盆地の方にやっぱりそもそもの霧があまりたまってないというのが…」

きょうは、肱川あらし発生の条件が揃い初観測の期待が高まりましたが…大洲盆地で放射霧があまり発生しなかったため、残念ながら初観測とはなりませんでした。

気温や風向き、海面水温や潮回りなど予測が難しいと言われている肱川あらしを多くの人に楽しんでもらおうと、今年から新たな取り組みが始まっています。

白石アナ:
「これですか!?」

濱田さん:
「データを送ってるんですよね、風速と温度と…AIと人間の戦いっていうか面白いですよね」

今月から始まった肱川あらしAI予報!肱川の河口・赤橋に設置された観測機では、予測に必要な気温や風、気圧、湿度といった気象データを観測しています。

その観測データや過去6年分の気象データをもとにして、肱川あらしの発生確率を予想するAI予報。2日後の発生確率まで見ることができます。

この肱川あらしAI予報の開発に携わった岡山理科大学の大橋教授。15年近く、肱川あらしの発生メカニズムを研究しています。

大橋教授:
「肱川あらしが特殊な気象条件で発生するということですね。現地に何度も足を運んでいると、せっかく来たのに肱川あらしが見られなかったねとか、そういう場面を目の当たりにして、少し役立ててもらえるようなきっかけを作りたかった」

去年作成され、その後改良が続くAI予報。試験運用をした去年は、およそ80%の確率で肱川あらしの発生予測に成功しました。

大橋教授:
「今後はもっともっと精度を上げられるようにいろんなプログラムの改良を進めていきたいと思います」

今月から公開された肱川あらしのAI予報は、大洲市のHPで見ることができます。

ゆっくりと深まる秋。冬の風物詩が、今シーズン初めて発生するのはもう少し先になりそうです。