【速報】父親・田村修被告に懲役1年4か月・執行猶予4年の有罪判決 すすきのホテル殺人 札幌地裁

札幌・すすきののホテルで2023年7月、頭部のない男性(当時62)の遺体が見つかり親子3人が起訴された事件の裁判員裁判で、殺人ほう助や死体損壊ほう助などの罪に問われた父親・田村修被告(61)に対し、札幌地裁は懲役1年4か月・執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。
起訴状によりますと、父親の田村修被告は2023年、犯行に使われたのこぎりやキャリーケースなどを購入し、娘・瑠奈被告(31)に提供。
瑠奈被告を事件当日に車で送迎し、殺人を手助けしたほか、瑠奈被告が自宅に持ち帰った男性の頭部を損壊する様子をビデオで撮影するなどした罪に問われていました。
修被告は初公判で、「娘の犯行を知ったのは事件があった後」などと起訴内容を否認し、無罪を主張。
裁判では修被告が、瑠奈被告の殺害計画を事前に認識していたのかが争点となっていました。
検察は2月18日の論告で、「瑠奈被告の計画は一人で確実に被害者を殺害する十分に練られたもので、手助けが不可欠。凶器は修被告が購入しなければ犯行がなされなかった」と指摘し、修被告が事件前から計画を認識していたとして、懲役10年を求刑しました。
一方、弁護側は「瑠奈被告の殺意などを事前に知っていたと推認できる証拠が全くない」と指摘。
凶器の購入についても、「のちに犯行に使われたと判明した」などとして、修被告は事前に計画を認識していなかったと無罪を主張していました。
午後2時から言い渡された判決はー
(裁判長)「主文、被告人を懲役1年4か月に処する。4年間は、刑の執行を猶予する」
札幌地裁は懲役10年の求刑に対し、懲役1年4か月・執行猶予4年の判決を言い渡しました。
世間を震撼させた猟奇的な事件から1年8か月。
11回に及んだ裁判員裁判は求刑を大きく下回る判決となりました。
裁判は瑠奈被告の殺害計画を事前に知っていたかが争点となっていましたが、札幌地裁は判決で、「被害者を殺害するとまで事前に認識していたと断定できない」と結論づけました。
その上で、自宅に頭部を置き続けていたことなどを「死体遺棄ほう助」と認定。
また、ビデオ撮影についても瑠奈被告の損壊の意思を高めたなどとして「死体損壊ほう助」を認定しました。