宿泊税の導入検討「議論が不十分」自治体や事業者から不満の声 税収は45億円見込み 北海道
「観光立国北海道の実現」を掲げ、道が導入を目指しているのが宿泊税です。
これに対し、一部の自治体や事業者からは議論が不十分といった声も聞かれています。
一体なにが課題なのでしょうか。
(鈴木知事)「新税に関する基本的な事項について、道民や市町村・事業者からご理解が得られつつあると判断し、観光立国北海道の実現を目指し、導入に向けた議論を1段前に進めるため」
21日の道議会、鈴木知事は導入を目指す宿泊税について、議論を加速させる考えを示しました。
道が検討を進める宿泊税は、宿泊料金に応じて変わる「段階的定額制」です。
例えば、1人1泊あたりの宿泊料金が2万円未満の場合は100円、2万円以上5万円未満の場合は200円、5万円以上では500円が徴収されます。
税収は45億円を見込んでいます。
道とは別に、すでに宿泊税を導入しているのが倶知安町です。
採用しているのは、宿泊料金の2パーセントを徴収する「定率制」。
道が検討している「段階的定額制」が始まれば、宿泊客は二重課税となるうえ、事業者は2つの方式で税を扱わなくてはなりません。
(ペンションアリス 早川貴士さん)「事務の手間が増えるのが事業者としても感じていますし、どうしても北海道の宿泊税は広域になってしまうので、非常に用途・払ったものがどこに行ったのかが分かりづらい制度設計になっていますので、しっかりわかるような制度・事業の組み立て、払った方々に還元できるような展開・政策を明確に出していただくことが今後求められる」
また、隣接するニセコ町もことし11月から宿泊税の導入を決定していて、地域交通の整備や観光人材の育成など観光振興に充てる予定です。
道が検討する宿泊税については、使い道などの議論や説明が不十分だと指摘します。
(ニセコ町 鈴木健税務課長)「宿泊税というのはホテルとか民宿とか宿泊事業者が実際に納税する客に対して説明しなければならないので、道の宿泊税の考え方自体がきちんと宿泊事業者や市町村に代弁者として説明できるくらい浸透していかなければならない、そこが足りていない。一方通行の議論、話を浴びている状況なので、結局道庁としてどうなんだと問い合わせしてもまだわからないとか検討中ということで」
道は早ければ2026年春に導入を目指していますが、自治体や事業者などの理解を得るにはまだ時間がかかりそうです。