「3月からクマが歩き始める」出没減らすため人里近くのクマ捕獲 冬眠明けに備え対策 北海道
人里に出没するクマ・アーバンベアを減らすための対策が始まっています。
北海道旭川市ではハンターらが冬眠明けの出没に備え訓練を実施したほか、人里への出没を減らすための「春期管理捕獲」も始まっています。
クマが描かれた看板に向け、模造銃を構えるハンター。
旭川市で実施された訓練には警察やハンターらが参加し、人里周辺にクマが現れたことを想定して組織間の連携を確かめました。
道内では去年、市街地付近でのクマの出没が相次ぎました。
クマに関する通報は1年間で4055件と、前の年からほぼ倍増しています。
訓練では爆竹の鳴らし方やクマスプレーの使い方も確認しました。
まだまだ寒い2月。
ほとんどのクマが冬眠している中、訓練するわけは?
(北海道猟友会旭川支部 広永賢一副支部長)「温暖化で暖かいこともあり、クマの出没が春は早くなっている」
クマが出没する季節は目の前に迫っています。
(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「早い個体だと3月上旬くらいから穴から出て動き始める時期。3月中旬・下旬くらいからエサがあれば食べる状況になる。3月に入りましたらクマが歩き始めていると思った方がいい」
緊張した面持ちのハンターたち。
この日行われたのは、道が去年から始めたクマ対策「春期管理捕獲」です。
本来クマの猟期は1月31日までですが、人里近くのクマの数を減らすため、捕獲しやすい春先のクマを狙います。
春は雪に足跡が残りやすく、クマを追跡しやすいためです。
ことしは去年の3倍を超える64市町村が実施の意向を示しています。
(北海道猟友会釧路支部 米山秀治支部長)「普通であればまだ冬眠しているのですが、最近は「穴持たず」というクマがいて、まだ寝ないで活動していると。そういうクマは凶暴、お腹が減っているので。少しずつ圧をかけてクマの出没回数を減らしたい」
冬眠明けが迫る中、人里近くでの出没を防ぐため、先手を打ったクマ対策がはじまっています。